Tricksters
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 突然倒された体。訳も分からず呆然としていると、慣れた手付きでスーツの上着を脱がされ、シャツのボタンをいとも簡単に外された。

 仰向けになっている自分の体を跨いで、金髪の天使がニヤリと笑う。その表情は悪魔そのものだった。



「ちょっと!台の上に乗るなんて行儀悪いわよ!?」

「えー?関係ないって。しかもセックスに行儀も何もなくない?」

「ヤス、俺もそう思う。」



 ――何てデリカシーのない会話なんだ。寧は心の片隅で呆れていた。不意に胸を覆っていたものがパチンと取り去られる。驚いた刹那、美しい金髪が首筋をくすぐった。



「んっ……!」



 胸の頂を鮮やかな赤い舌がチロチロと舐め上げる。時折唇で押されたり挟まれたりして、徐々にそこはぷっくりと膨れていく。

 両方の手は逞しい二本の腕で押さえ付けられ、抵抗さえままならない。突起を強く吸われた時、寧の体が大きくビクンッと揺れる。快感の声が小さく洩れた。



「……可愛い声出すんだね。感度良いし、最高じゃん。」



 天使の顔をした悪魔が妖しく笑う。寧は赤面して視線を逸らせたが、彼はそれを許さない。もう一人の悪魔が見ているのも忘れ、無我夢中で寧の両胸を愛撫した。片方は舌で遊ばせ、もう片方は指で摘まんだり爪を立てたりして弄る。時折近距離で耳に届く熱い吐息に、下半身が疼く。

 和洋は我慢が嫌いなのだ。寧の胸から顔を上げると、大きく開かせた彼女の足の間に入り込んだ。


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あきゅろす。
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