Tricksters
42
「……希楽、やめとけよ。今日は深夜の仕事入ってるだろ?仮眠取ろうぜ。」
気乗りしないのか、和洋がそう言った。一方希楽はヤる気満々らしく、寧の顎に片手を添えている。
「何、お前体力に自信ないわけ?もうおっさんじゃん。」
言われた和洋はカチンときたらしく、希楽を睨む。彼の目に“炎”が宿ったのを見て、希楽はクスリと笑った。
「ほら、ヤスもヤりたいって。寧、相手してよ。」
「ヤる気は別になかったんだけど……まぁ、可愛い声聞きたいし?」
二人してニヤニヤと妖しい笑みを向けている。ゾクリと興奮の鳥肌が立つ。あの熱さと快感を体がまだ覚えているのだ。
「じょ、冗談じゃないわよ!私はこれから仕事なの!!あなた達だって仕事なんでしょ?馬鹿なこと言ってないで体力温存しときなさいよ!!」
「……あれ、そんなこと言っちゃって良いの?寧ちゃんは俺達の“何”だっけ?」
和洋がニヤリと笑って寧を見る。対する希楽は携帯を片手に妖しげな目を寧に向けていた。
「俺が星彩社に電話して、『お宅の社員のせいで不快な思いをした』って言えば、寧は即行解雇されるんじゃない?忘れた訳じゃないだろ。お前は俺らの“何”なわけ?」
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