Tricksters
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「へぇー……なかなか面白いじゃん。泣いて逃げ帰るかと思ったけど、意外と根性ありそうだな。」
希楽は足を組みかえて、隣に座っている和洋に目を向けた。
「だね。もう少し付き合ってあげる価値はあるんじゃない?」
二人はニヤリと妖しい笑みを交わすと、再び寧に視線を持ってきた。寧は内心ビクビクしていたが、耳に入った二人の言葉によってそれから解放された。
「……取材は受けさせてやるよ。俺達だって少なからず楽しみにしてたんだからな。」
「こっちだって一応“事前学習”ってのはやってるんだよ?寧ちゃんの記事読んでどんな人だろうってワクワクしてたし……まぁ、ゴシップ記者だったのにはちょっと失望したけどね。」
寧からしてみれば、彼らの言葉は本当に驚くべきものだった。自分に乱暴してきたのは気に入らなかったから追い出すため、そして再び来るように仕向けたのは退屈凌ぎだと思っていたが、もしかしたら幻滅したことによる咄嗟の行動だったのかも知れない。
向こうは確かに悪いが、二人を失望させた自分にも少しは責任がある筈だ。そう思った寧は、二人に向かってゆっくりと言葉を放った。
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