Tricksters
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 温かい飲み物が嬉しい季節になった、12月のある日。寧はこの日、トリスタとの仕事でベリーズエンターテイメントを訪れていた。

 前回取材した、クリスマスに先立ったバーチャルデートの記事が載った号が昨日発売されたのだが、非常に評判が良かったらしい。そこで、今度は星彩社内で“ファンにクリスマスとお正月のプレゼントを”という話が持ち上がった。希楽と和洋が“是非”と返事をくれたので、今回の仕事に結び付いたのである。



「じゃあ、今回はお正月の思い出を聞きながら、ファンの皆さんにプレゼントを選んでもらうわね。」

「お正月かぁ……ここ数年は、希楽やスタッフさん達とカウントダウンしてるよね。」

「あぁ。オフもらったら、お互いの家族に会いに行くよな。俺達、結構家族ぐるみで仲良いんだよね。」

「へぇー!例えば、どんな感じ?」



 レッスン生時代に京都や九州へ旅行した話や、母親同士がよく一緒に買い物しているという話が飛び出し、付き合いの長さと深さが窺える。グループ結成前からの絆も感じさせる話題も交えながら、インタビューは進んでいった。

 そして、取材が終わった頃。ライトゴールドの髪の男が、寧を呼び止めたのだった。



「寧ちゃん、お疲れ。」

「あ、ヤス君……」

「話あるって言ってたよね?今日これから空いてるから、どうかなって思って。」



 ――来たな、と思った。自然と強張る肩を、意識せずにはいられない。と、その時。寧の様子が変わったことに気付いたのか、二人の後ろから声をかけてくる者があった。


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