Tricksters
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「希楽君って、コンサートのMC中にもよくヤス君にちょっかい出してるって聞いたんだけど……本当なんですね。」



 寧がクスリと笑うと、希楽がピクリと眉を動かした。



「……伊藤さんって、まだ俺らのコンサート見たことないんだ?」

「あ、はい……記事やニュースの映像ではよく拝見してますけど、実際にはまだ……チケットの競争率も高いんですよね?」



 寧の言葉に希楽は、成程、と頷いた。



「こいつ、すぐ人をイジろうとするんですよ!ほんと勘弁して欲しいです!!こいつの彼女になった人は絶対苦労しますね。」



 和洋が皮肉めいた口調で言うが、希楽はサラリと交わした。



「だって、お前をイジるのが楽しいって気付いちゃったんだもん。多分人をからかいたいタチなんだと思うけど?」



 希楽の発言にむくれる和洋を見て、寧は思わず笑ってしまった。和やかな雰囲気の中で、取材は終了。寧の去る間際にプロのカメラマンが到着し、二人の写真を何枚か撮っていった。寧はマネージャーに挨拶をしてくると言い、その前に化粧室へ向かった。


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あきゅろす。
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