COLORFAST DAYS
仲直り
授業を止めてしまったことに気付いた俺達がハッと気付いて教卓に目をやった時、坂井先生は何故か両目を輝かせて俺達二人を見ていた。

そして即座に近寄ってきたかと思うと、俺の両手をガシッと掴んで興奮した口調で語り出した。(クラス中の女子が先生を睨んでたけど、何でだろう?)





「凄い……凄いわ早川君!1年生でこれだけ喋れるなら将来が楽しみね!!柊さんも凄いわぁ!良かったら、2年生の女子が参加するディベート大会に一緒に出てみない!?」



先生は掴んだ俺の両手をブンブンと上下に振り、視線はレオに向けて嬉しそうに叫んだ。俺とレオは、口を半開きにして顔を見合わせた。お互いが心の中で、“何だこの展開は……”と呟いていたに違いない。





「……紫温、ごめん。私が悪かったよね。」

「……いや、俺が悪かったよ。つーかお前、凄ぇマシンガントークじゃん!何か尊敬した。」

「え?紫温も十分マシンガンだったよ!何か文が論理的っていうか……流石男の子だね!!」



アハハと笑っている俺達を見て、クラスメイト達は大袈裟な溜め息を次々とついた。一人で喜んでいる坂井先生とは全く対照的だ。(茉莉なんて「あんたら馬鹿じゃないの?」と言いたげな顔をしていた。)

授業が終わった後、案の定、俺達二人は茉莉から厳しい言葉を貰った。ごめんごめんと笑い飛ばすレオに、茉莉は終始不機嫌そうに顔をしかめていたように見えた。










……多分、気のせいだと思うけれど。





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