COLORFAST DAYS
例え子供染みていても
「えっ、私何か変なこと言った!?ごめん!!」
レオがにわかに焦り出したので、俺は段々と面白くなってきた。そこで、彼女の方を向いている上半身を前に乗り出した。
──ゴチッ、という鈍い音が響いた。俺が自分の額をレオの額にぶつけたからだ。(思ったより痛くて、ちょっと涙が出そうになった)
「いっ…!痛った〜い!!何すんの!?」
「平気だって。お前の方が大丈夫かよ?こんくらい交わせないなんて反射神経鈍ってるぞ。」
「私は剣道部じゃありませんっ!!水泳部には反射神経は必要ないの!!」
レオはプリプリしながらそっぽを向いた。その頬が、少しだけ赤く染まっている気がした。怒りでなのか照れなのかは分からないけど、後者である確率はせいぜい10パーセント未満だろう。
俺は、例えば“目が合った奴は自分のことを好き”なんて思うような勘違い野郎じゃないし、ましてやそれに自惚れて告白なんて出来ない。
本気で恋をしたら自信がなくなるのは、世界で俺一人だけなんだろうか。そう思うと、自分がやけに女々しい気がした。
……あんな餓鬼みたいなことをしたのは、ただ自分を見て欲しかったから。見て貰えるなら何だって良い。その視線が向けられるだけで嬉しくなるんだから。
願わくば振り向かせたい。だから、今はまだ、諦めない。フラれても、精一杯頑張ったんなら笑って思い出に変えてやろう。
……俺もいつかは、大人になるんだから。
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