COLORFAST DAYS
以心伝心?
「おっ、お前、茉莉が…!?」



驚いて舌が思うように回らない俺に、響はただ小さく笑っただけだった。沈黙は肯定と受け取ろう。

俺はまじまじと響を見つめて、これまでの学校生活を思い返していた。僅か5ヶ月だが、沢山の出来事があったと思う。その一つ一つを考えている内に、驚きと疑問がスッと消えていった。





「お前……M?茉莉に冷たく当たられることが生き甲斐とか?」

「違うっ!冗談はよせって!!」



「ほんとは分かってるくせに…」と呟いて、響は口を尖らせた。奴の言う通り、確かに俺は分かりかけていた。

お互いがお互いを見抜いていたことが妙におかしく思えて、笑いそうな唇をキュッと結ぶ。俺は響の方を向いて、ゆっくりと口を開いた。










「……意外と脆そうだもんな、あいつ。よく一人で悩んでるし。まぁ……そういう時は、お前が笑顔に変えてやれば良いんじゃねぇの?」



俺の言葉に響はニコリと笑い、「勿論!」と叫んだ。こいつは能天気に見えるけど、実は人一倍色々なことを考えている。だからきっと、茉莉のことが気になったんだろう。

前に俺が茉莉に打ち明けられた過去を響に告げていないにも関わらず、響は茉莉が何かを抱えていることに気付いていたんだろう。だから、茉莉を笑わせようとして馬鹿なこともやっていたのか。こう考えると、漸くつじつまが合った。







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あきゅろす。
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