COLORFAST DAYS
長い憂鬱の終わり
レオに会えない夏休みは、果てしなく長くて退屈だった。勿論、響と遊んだり家族旅行をしたりと楽しいこともあった。
だけど、好きな人に会えないのはやっぱり寂しい。会いたいなら遊びに誘えば良いのだが、そんな勇気はさらさらなかった。こんな気持ちになったことがなかった俺は、自分自身に戸惑っていた。
……高校最初の夏休みは、何だかとても憂鬱だった。
「紫温久し振りだなぁ!元気だった!?」
新学期が始まり、一番最初に会ったのは響だった。通学路で後ろから肩を叩かれ、そのまま一緒に登校することにした。
「んー……元気だけど、何かつまんなかった。」
「だろうね、顔に書いてあるもん。おいらに会えなくて寂しかったって!」
「おい、しばくぞ?」
俺が片手を振り上げると、響はすぐ様「ごめんごめん!」と叫んだ。そして、何を思ったか小さく笑った。
「何だよ?気色悪いな…」
「酷いよ!おいらは空気を読んでそう言ったのに!!」
響はそう言うとクスクス笑いながら、「……全部分かってるよ」と消えるような声で呟いた。
[次へ#]
[戻る]
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!