COLORFAST DAYS
哀愁少年リズム
響と別れてから、自宅の玄関に足を踏み入れた時。靴を脱ごうとしていた俺はピタリと動きを止めた。



……何かがおかしい。気のせいか?

今日は母さんが早めに帰っている筈なのに、人の気配がまるでない。不安になった俺は、荒々しくリビングのドアを開けた。










「母さ……ん?」



真っ先に目に入ったのは、テーブルに突っ伏している母親の姿。近付いていくと、規則正しい呼吸が聞こえた。

……どうやら眠っているだけだったようだ。俺は安堵の溜め息をついて、自室に向かうことにした。





「最近、体調悪いみたいだったからなぁ……ただの睡眠不足か…」

微笑した俺は鞄を机に放り投げ、制服を部屋着へと変えた。










夕飯と風呂を済ませて部屋に戻ると、メールが三通来ていた。

一通目は響からで、内容は今日の俺を心配する言葉と、月曜に古典のノートを見せてくれというもの。二通目は茉莉からで、俺が貸していたCDを月曜日に返すというものだった。

……三通目の差出人に目をやった時。俺は思わず携帯を閉じてしまった。





「レオ、か…」

内容は今日行った彼女のバイト先はどうだったかというもの。さりげなく瞬さんのことを誉めていて、本当に彼女は瞬さんが大好きなんだなと思った。可愛くちりばめられた絵文字にすら嫉妬する。










「……ちょっとは俺のことも意識しろっつーの…」



寂しげな俺の声が、壁に反響して悲しい雰囲気を奏でた。







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あきゅろす。
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