COLORFAST DAYS
この胸を締め付ける。
店を出る時、瞬さんが「また来てね!」と言ってくれた。

料理は美味しかったし、瞬さんにも好感を抱いた。だけど、どうしても、心に闇がかかる。この胸が、インクをこぼしたように黒く染まっていくような気がした。










……好きな人には、好きな人が居た。















「じゃあ紫温と響君、また明日……じゃなかった。月曜日にね!バイバーイ!!」



手を振りながら茉莉と帰っていくレオを見て、胸がズキンと痛んだ。その笑顔を見るのが、苦しくて堪らなかった。

言葉も返せずに、ただ手を振り返しただけ。それなのに君は、少しも怪しむことなく笑顔で去って行った。















……俺は一体、君の中にどれくらい存在しているのだろう。世界の中のちっぽけな自分より、君の中に存在しない自分の方が儚く感じた。







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あきゅろす。
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