COLORFAST DAYS
テスト解放令
「……あんたは、どうしてそう余計な勘が働くのかしらね。頼むから変に詮索しないでよ?」
キッと睨まれた為、俺はコクコクと頷いた。丁度その時、響を連れたレオがやってきた。
「二人共、テストお疲れ様!あのさ、さっき響君と話してたんだけど、良ければこれから私のバイト先で期末テスト終了祝いやらない?」
長い髪を二つに結わえながら、レオが言った。
「『ライムライト』?私は別に良いわよ。あそこのオムライス美味しいし……紫温は行く?」
茉莉がチラリと俺を見て尋ねた。
「紫温は行くよなぁ?だって、おいらが行くんだもん!」
なぁ?と言いながら、響は無理矢理肩を組んできた。どうしてそういうことになっているのか、全く分からない。
……が、奴の笑顔から何かが読み取れた気がした。
「……仕方ねぇから俺も行ってやるよ。レオがドジしてないか、みんなで見張りだな。」
俺が冗談混じりに言うとレオは、「遠慮します!」と言って鞄に教科書を詰め始めた。俺達も、それを見て荷物をまとめる。
「じゃあ、みんなで行こう!オススメ紹介するからねっ!!」
レオは俺達の準備が整ったのを見ると、ニコリと笑って歩き始めた。
……暫くすると、レモン色のこじんまりとした小屋が見えてきた。ドアをくぐるとカラン、とベルが鳴る。看板には個性的な細い字体で『ライムライト』と書かれていた。
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