COLORFAST DAYS
母親寄りの考え方
──放課後。新聞部のミーティングに行ってしまった響を見送って、部活の為に体育館に向かった。
体育館に着くと、既に数人の同級生達が集まっていた。俺は着替えを済ませてから、彼らに合流した。
この学校の体育館はとても広く、ネットで四つに仕切ってなるべく多くの部活動が出来るようになっている。
加えてもう一つ体育館があるので、合計八つの部活が同時に練習出来る。雨の日には、ネットの外側を野球部やサッカー部などがランニングしたりもするのだ。
「お。早川ー、今日はお前のお父さんが居るじゃん!隣のコート見てみろよ!!」
俺より少し後に姿を現した先輩に言われて見ると、確かにそこには父さんが居た。何やら、シュートがなかなか決まらない部員に指導しているようだった。
「早川先生かっこいいよなー……俺の親父になって欲しいくらいだし!!」
お前は良いなぁ!と言いながら背中をバシバシ叩かれたが、本当にそんなに良いものだろうかという疑問が浮かんだ。
隙あらば母さんをからかって楽しんでいるような人だということを、大声で言ってやりたいとさえ思った。
「……まぁ、あいつが本当に良い父親なのかは賛否両論じゃないっすかね…」
俺は呟いて、顧問の集合の声がかかった場所へと急いだ。
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