COLORFAST DAYS
容赦なし
──三人で弁当を広げながら待っていると、バタバタという騒がしい足音と共に響が現れた。










「お疲れさん。取敢ず、座って落ち着け。」

俺は四つ向かい合わせにくっ付けた席の内、自分の隣の席を指差す。響はコクリと頷いて、腰を下ろした。





「さっきサッカーやってたんだ?チラッと見たけど、響君頑張ってたねー!」

レオが言うと響は、ありがと!と笑って返した。



「……響って、見た目通りビビりなのね。偶然見かけたけど、キーパーの時のあの有り様には引いたわよ?」

茉莉がシビアな言葉を吐くと、響はガーン……という効果音を口から発した。どうやら落ち込んだらしい。





「茉莉っ……響君が可哀想だよ!!」

レオがオロオロしながら言うが、茉莉はツーンとそっぽを向きながら、「だって本当のことじゃない。」と言った。確かに本当のことだが、響が凄く哀れに思えてきた。










「……響、スポーツだけが全てじゃないから気にすんな。それから、茉莉の言う事いちいち気にしてたらやってけねぇぞ?」

頭をポンポンと叩いてやると、響は若干涙目で頷いた。女々しいと思ったが、口にすれば茉莉の一言よりも威力がありそうだったので、心の奥底にしまった。





「まぁ、気にしないっていうのは無理かも知れないけど……その内慣れるから!ねっ?」

レオに言われて響は、分かった……と小さく答えていた。目の前の茉莉は、黙々とご飯を口に運んでいた。





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