COLORFAST DAYS
それから。
「……涼、寒い。」

「寒いのは分かったから離れてくれない?今日、慶華から電話かかってくる予定なんだから。」

「やだ。嫌なら振りほどけば?」

「あんたの力が強すぎて、ほどきたくてもほどけないのよ!」



 ――何をやってるんだ、こいつらは。そうツッコむのも馬鹿馬鹿しくて、リビングの二人を無視しつつ二階へ足を進める。響の家に課題をやりに行って正解だったなと思ったら、溜め息が出た。

 12月も半ばになり、もうすぐ冬休みがやってくる頃。その前にクリスマスがあるんだけど、今年はバイトだ。レオがそうするって言ってたから、自分もそうしただけの話なんだけど。

 前みたいなぎこちなさは段々となくなってきて、俺がちょっと見当違いなことを言うと飛んでくる、軽い“しばき”も復活した。暴力的な女は嫌われるぞと言ったら、「男でも一緒だよ!」とムッとされたのが記憶に新しい。

 茉莉はといえば、相変わらず響に毒を吐いている。それに対して「傷付くなぁ……」と苦笑しながらも、そんな関係が嫌いではなさそうな響。俺の中では公認カップル同然だ。そう伝えたら、奴はとても嬉しそうだった。


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