COLORFAST DAYS
クールガール
新入生の俺達は名簿順に羅列された席に着くと、簡単な挨拶と説明を受けた。それから、出席番号順に廊下に並んで体育館へ向かった。



式は意外とすんなり終わった。この学校の校長は、大事なことを的確に短く話すタチらしい。生徒会長の話もそんなに長くなくて、“会式の話は長い”という俺のイメージは覆された。

式の後で教室に戻ると、漸くクラスメイト達の顔が見渡せた。普通科とは違い、俺達英語科はこれから三年間、同じクラスでやっていくのだ。





……まだ、実感は湧かないけれど。





















「──はい、有難う!じゃあ次、橘さんお願いね。」



担任は、ギリギリ20代の女の先生だった。教師としてはまだ若くて頼りないと自分で言っていて、その証拠に手が震えていた。何だか親近感が湧いてくる。

彼女に言われて、橘という女の子が席を立った。










「……橘茉莉、鷺ノ宮中から来ました。この学校にはこの地区で唯一の英語科があって凄く憧れてたし、親友と一緒に入学出来てとても嬉しく思ってます。……三年間よろしく。」










淡白で変わった自己紹介だなと思ったけど、可愛いなと感じた。

仏頂面だった彼女の顔が、“親友”と言った時はとても優しかったから。





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あきゅろす。
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