COLORFAST DAYS
親譲り
階段を登りきると“1組”という札が見えた。響とはここでお別れになる。





「じゃあ、また後でな。」

「おう!あー、おいら人見知りだから友達出来るか心配…」

「お前の何処が人見知りだよ。逆に誰にでも話しかけてるだろうが。」



コツンと頭を叩いてやると響は、すんませーんと言いながら教室に入って行った。それを見た女子達が、キャーキャーと騒ぎ始める。





……あいつ、正直言ってかっこいいもんな。そう思っていると、その女子達の目が俺に向いた。










「……ねぇ!あの子もかっこいい!!」

「ほんとだー…」

「あ、行っちゃった。ウチのクラスじゃないみたいね。」

「えー!?残念…」










……騒がれるのは好きじゃないから、足早にその場を去った。

そういえば、俺の父さんは若い時からモテたらしいから、この騒がれようは親譲りなのだろうか。母さん曰く、俺は父さんのコピーらしい。

でも父さんに言わせると、俺は母さんにそっくりだという。どっちが本当なのか分からない。










「……ま、遺伝子上、両方だろうな…」

俺は呟いて、7組の教室へと足を踏み入れた。





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