PURPLE DAYS
83
「まぁ、明日美ちゃんの話聞いたら信じるしかないね。」

「おい、失礼だぞ。これでも中学までは、彼女よりバスケ命だったんだけど。」

「はいはい、ラブラブなのはよーく分かったから。良いよねぇ、新婚!私も早く相手見つけようっと!」



 羨ましそうに言いながらも、何処か嬉しそうに見える岡崎。涼の友達だけあってサバサバしてるというか、嫌みのない奴だよな。類は友を呼ぶって、ほんとなのかも。



「そういえば朱希、高校では彼女居たって噂聞かなかったけど……」

「まぁな。高校では、お前以外と付き合ってねぇし。告られたことはあったけど、片っ端から断ってやったな。」

「うわ、何か可哀想……」

「確かに……早川君、中学ではずっと彼女居たよね?女の子が切れないというか。」

「……岡崎、その言い方酷いぞ。」



 ――まぁ、その通りだから、それ以上反論できないんだけど。でも、“好きな奴が居るから”と相手を選ぶようになったのは、他の誰でもない、俺自身だった。



「涼に片思いしてたせいで、二年くらい彼女居なかったんだからな?まぁ、その責任は取ってもらってるし、別に良いけど。」



 悔しくて物に当たった日も、思わず泣きそうになった情けない日も。全部が今を作るためにあったと思えば、悪くないかな。クスリと笑ったら、涼からも笑みが返ってくる。さっきまで不安そうな顔してたのに、ほんと面白い奴だよな、涼って。

 ――ていうか、やべぇ。押し倒したい。岡崎が居なかったら、間違いなく実行してんだけどなぁ……口に出したら変態扱いされるだろうから、言わないんだけどね。そう考えた時、微笑している涼に気付いて首を捻った。今、笑う要素あったっけ?


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