PURPLE DAYS
74
side涼



「涼ちゃん、おはよう!」



 デスクに着くなり、明日美ちゃんが声をかけてくれた。いつも元気な明日美ちゃんには、朱希や慶華とはまた違った安らぎを感じる。



「あ、おはよう!今日ってあたしと明日美ちゃんが一緒に仕事する日だよね?」

「うん、そうだよ!憧れのフィルハーモニーのMCで、しかも涼ちゃんと一緒になんてツイてるー!!」



 はしゃぎ始めた明日美ちゃんが何だかおかしくて、思わず笑う。明日美ちゃんは、大学までずっとブラスバンドをやっていたらしい。担当はクラリネットで、自宅には大量のクラシックCDがあるんだとか。

 あたしは中学も高校も帰宅部だったから、大学で始めてバドミントンのサークルに入った。高校までは“家事全般を早く覚えなさい”っていうお母さんの意向で、よく家事を手伝ってたっけ。

 今“何でも任せて”って言えるのは、お母さんのお陰。やっぱり、感謝しなくちゃいけないな。


[次→#]
[戻る]


あきゅろす。
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!