PURPLE DAYS
66
side朱希



 微かに感じた日の光に、ゆっくりと瞼を持ち上げる。カーテンの隙間から差し込む太陽光線は、夏に向かって少しずつ威力を増しているようだ。

 目をこすりながら隣を見れば、寝ている涼が目に入る。朝に弱い俺の方が先に起きるなんて、珍しいこともあるんだな。



「……よく寝てんなぁ。」



 呟いて、思わず頬が緩む。安心しきった寝顔を見ていると、すぐこうだ。頬をつついてやると、小さく笑みをこぼす涼。笑い声を洩らしそうになって、必死に耐えた。

 最近疲れてるみたいだけど、大丈夫だろうか。出来るなら、いつも側に居てやりたい。翔梦や他の友達には“過保護”だって言われるし、自覚もしてる。だけど、これだけは絶対譲れないんだよね。

 今日は、ドライブにでも連れてってやろうかな。仕事のストレスとか家事のことを忘れて、リラックスして欲しい。俺にとって一番嬉しいものは、涼の笑顔だから。


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あきゅろす。
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