PURPLE DAYS

「ちょっ……何!?そんなことする暇あったら早く起きてよ!!」

「じゃあ早くキスしろよ。じゃないと俺が出勤出来ないんだけどぁ……涼だって出勤しなきゃダメだろ?」



 朱希は相変わらずニヤニヤしながら言う。ドSに加えて頑固なこいつは、一度言ったことはなかなか変えないのだ。しょうがない……あたしが折れてあげよう。



「……もう、馬鹿!」



 あたしは仕方なく、軽く触れるだけのキスを朱希の唇へした。顔を離した直後、目を細めて頬を緩めた朱希の表情が瞳に映る。



「……ん、ありがと。」



 漸くベッドから起き上がった朱希。可愛かったから、今日だけは我儘を許してあげようかな、なんて思ったのは内緒だ。



「……朱希、今日はやけに機嫌良いね。いつもはあたしを布団に引きずり込もうとするクセに。」



 少し皮肉を込めて言うと、朱希はいやらしく口角を上げる。何を考えているのかは、全く分からない。ただ……物凄く嫌な予感はするんだけど。



「あー……昨日俺、調子乗ったじゃん?涼がめちゃくちゃ可愛かったから、いつもより充電出来た気がするんだよね。」

「昨日って……あぁ、あれ……」



 ――思い出したくもない。ベッドの上で何回意識を飛ばしかけたことか……さっき朱希の乱れ髪がやけに心に残ったのは、きっと昨日の行為のせいだ。徐々に赤面していっているだろうあたしを見て、朱希は面白そうに口角を歪めた。



「涼、激しいのにも慣れてきたよな。安心したよ。今度こそ、連続で何回ヤれるか挑戦しようぜ?」



 ――意地の悪い瞳があたしを見つめている。そんなことは、絶対に願い下げだ。


[*←前][次→#]
[戻る]


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!