PURPLE DAYS
34
「おー……先生見せつけてくれるじゃん。いーなぁ!」

「先生の奥さん、何か色々と大変そう……」

「確かに!ていうか、家でどんな感じなんだろうね?」



 思い思いに盛り上がっている生徒達。朱希はクスリと笑んで、彼らに向かって口を開く。



「まぁ、お前らも早く結婚すれば?」


 クシャリ、優しく髪を梳かれる感覚。心地良さで目を閉じそうになったその時、頬に迫り来る赤い唇。ちょっと、こんな公共の場で何する気なのよ!



「ちょっ……馬鹿!ここ何処だと思ってんの!!」



 力任せに押すと、朱希は一瞬よろめいた。でも、すぐに体勢を立て直す。ほんと、朱希って油断出来ないよね。そう口にしたら、不敵な笑みが返ってくる。



「いちいち照れんなって。今更だろ?」



 妖しい笑みを浮かべる朱希に、盛り上がる女生徒達。いやいや、この人と付き合うと、結構苦労が絶えないんだよ。はたから見る分には楽しいのかもしれないけど、このマイペースについていくのはなかなか難しいんだからね。



「……もう、ほんとやだ。そういう所、直して欲しいんだけど。」

「何言ってんの、好きなクセに。」



 自信満々な物言いと、艶(あで)やかな笑顔。それ以上何も言えなくなって、溜め息をついた。頬が、凄く熱い。



「相変わらずラブラブだねぇ、涼ちゃん達は。」

「だね……朱希、俺の彼女と気が合いそう。」



 微笑ましそうに言う慶華と、若干タジタジな翔梦。ちなみに翔梦の彼女は、ちっちゃくて凄く可愛い子。亜美ちゃんといって、あたしのメル友でもある女の子だ。

 まだ一度しか会ったことがないけど、積極的に話しかけてくれる感じの良い子だった。背の高い翔梦の側に小さな亜美ちゃんが居ると、何だか和まされたなぁ。


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あきゅろす。
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