PURPLE DAYS
30
「うん、俺もそう思ってたよ。朱希のことだから、早めに結婚して涼に悪い虫が付かないようにするんだろうなぁって。」

「ね!ほら、私達の予想通りでしょ?」



 顔を見合わせて共感し合っている二人。うーん……確かにそうかも。大学に通ってる時も、散々「変な奴に気を付けろよ」って言われたからなぁ。

 朱希、今頃何してるんだろ。ふとそう思った時、慶華があたしを見てニヤリと口角を上げた。



「……ねぇ二人共。もし今日が時間あったら、泉野行かない?」



 “泉野”とは泉野高校のことで、あたし達の母校。まるであたしの心を読んだかのような発言に、内心驚いた。翔梦はといえば、特にそんな様子も見せずに微笑んでいた。



「へぇー、面白そうじゃん。でも、何で急に?」

「このメンバーが揃ったら、何だか懐かしくて!それに、懐かしくなるにはあと一人足りないじゃない?」



 慶華の視線があたしに向けられる。それはもしかしなくても、あたしのパートナーのことを言っているんでしょうか。



「え、朱希のこと?」

「もっちろん!この後空いてるなら、どう?」



 翔梦に目をやると、「俺は行こうかな。朱希の先生ぶりも気になるし」と口にする。そういえば朱希、ちゃんと指導できてるのかな……余計な心配だと思うけど、少し気になる。



「涼はどうする?何も予定がないなら行こうよ。」



 二コリ、穏やかに笑う翔梦。あたしは頭の中で、高校時代を思い返す。

 ――朱希とあたしが出会った場所は、今どんな風になっているんだろう。知りたいな。そう思ったら、自然とこう答えていた。



「……行く!あたしも懐かしくなってきた!!」


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