PURPLE DAYS
溜め息の切なさ
「……涼、ちょっとこっち来いよ。」



「…えっ?ちょっ……」

返事をする前に朱希に手首を引っ張られて、少し離れた場所に連れて行かれた。










「……ヤな所見せてごめん。俺、大人気なかったよな…」

朱希はそう言って、左手で自分の目を覆った。





「…そんなことないよ!誰にだってカッとなることはあるし。
朱希も露骨過ぎたけど、高木君もああいう態度取るなんてびっくりしたよ…」





…あの人は、どういうつもりなんだろう?



そう思っていると、朱希が大きな溜め息の後で口を開いた。















「…今ので確信した。涼、絶対あいつと二人きりになるなよ?あいつお前の事狙ってるから。

今日はもう仕事ないんだろ?送って帰るから、俺の仕事が一段落つくまで談話室で待ってろよ。」


朱希はそう言って、あたしの額に軽く口付けた。





「んっ……分かったけど…」










けど……不安だよ…










唇を噛み締めて俯いている朱希を見て、胸が締め付けられる様だった。















ねぇ……朱希は何を思ってるの?







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