PURPLE DAYS
focus on you
「えっ……何してんの?」
それ以外に言葉が見つからなくて、あたしは口に出した。
「何って……授業ないからお前の授業をこっそり見てた、とでも言えば良い?」
朱希はクスッと笑いながら、目にかかる前髪をかき上げた。
本人が意図的やっているのか、それとも無意識なのかは分からないけど……どちらでも腹が立つことに変わりはない。
…悔しいけど、かっこいいから。
「…ん?どうかしたか?」
ハッと気付くと、朱希があたしを見て首を傾げていた。
「な…何でもないよ!朱希はこの後授業でしょ?早く行きなよ!!」
慌てて言うと、朱希は時計をチラリと見た後で、まだ余裕…と呟いた。
「ところで涼……そいつ放っといて良いの?」
「……え?」
朱希の目線を辿ると高木君と目が合い、彼は苦笑を浮かべた。
…ごめん高木君、忘れてた。
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