PURPLE DAYS
待ち伏せ
side涼
「…今日は有難うございました!凄く勉強になりました!!」
講義の終わりになって、代表の生徒があたし達にお礼の言葉をくれた。
あたし達は笑顔を返して、教室を後にした。
「はぁー……教壇に立つ先生の気持ち、今日初めて分かった気がする…」
溜め息混じりに言うと、高木君はクスクスと笑った。
「そうだね。人前に立つのって慣れそうにないよね……でも、早川さんは堂々としてたよ!人前に慣れてる気がした!!」
「ほんと!?ありがと…」
……言おうとした言葉が喉につかえたのは、予想もしなかった事が起きたから。
廊下の壁に寄りかかって、こちらを向いた人影が朱希だったから。
「……よっ。先生お疲れさん。」
にこりと微笑む朱希に、高木君の存在を忘れて思わず駆け寄った。
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