PURPLE DAYS
君に幸あれ。
「早川せんせー……眉間に皺寄ってますよー?」
隣に居た川田先生の声で、俺はハッと我に返った。
「あー……すいません。」
俺は呟いて、ふぅっと溜め息をついた。
「…じゃあ私、そろそろ行きますね!荷物をスクールに運ばないといけなくて。本当にお世話になりました!!」
橋本先生はクスクス笑いながら荷物をまとめると、くるりと背を向けて歩いて行った。
…反射的に、俺はその後を追った。
「……橋本先生!!」
廊下の丁度真ん中辺りに居た彼女は、俺の声に振り返った。
「あんたさ、良い女だから自信持てよ!……ま、涼には劣るけどね?」
俺が笑って言うと、向こうは何故かプッと吹き出した。
「結局それが言いたいだけでしょう!?まったく……でも、有難うございます!!じゃあまた!!」
橋本先生はそう言って、まっすぐ玄関へ向かって歩いて行った。
俺は、後ろ姿にそっと願った。
…彼女に幸せが訪れますように、と。
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