PURPLE DAYS

side涼



「朱希ー!!早く起きて!!」



 いつものように、布団にくるまっている朱希をユサユサと揺さぶった。すぐに起きる訳がないとは分かっているけど、この行為が毎朝の日課になってしまっている。

 付き合っていた頃からの習慣だといえば、確かにそうだ。でも、“あの時”と“今”では、あたし達の関係を表す名前が違う。



「んー……まだ寝る……」



 朱希はそう言って、布団の奥に体を沈める。これで何回目だろうかと考えると、気の遠くなる思いがした。

 ――ちょっと。あんたもういい加減にしてよ。



「朱希!仕事あるでしょ!?今日は月曜日!!」



 あたしは更に力を込めて朱希を揺する。しかし、朱希はかけ布団にしがみついたまま離れない。こいつは一体何歳だろうか。あたしの計算が正しければ、自分と同い年の筈なんだけど。



「分かってるって……もうちょい寝かせて……」



 朱希は少しだけ目を開けてそう言うと、再び布団に潜る。この期に及んで、まだそういうことを言うのね……流石のあたしも、そろそろ“殴って良いですか?”の一言を口にしたくなるというものだ。


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