PURPLE DAYS
夏休み
──そして、一ヶ月以上経って8月に入った。毎日のように真夏日が続き、夏休みだというのに俺は補習の指導員担当で学校に行かなければならない。夏生まれの俺だが、朝に弱いのでベッドから起き上がるのが少々辛い。

大変だけど、何だかんだで“教師”という仕事を楽しめてはいる。慕ってくれる生徒からの質問は嬉しいもんだし、数学の面白さも改めて実感した。苦手だと思っている奴が居るなら、根底からその考えを覆してやりたい。



今日は8月16日、俺の誕生日だ。騒ぎ立てる目覚まし時計をポンと叩き、大人しくしてやる。シャッとカーテンを開けば、今日も紫外線がキツそうな予感がする。

寝間着を替えて、灰色をした半袖のワイシャツに腕を通す。黒いスーツのズボンとの組み合わせを、実は涼が気に入っているのだ。鞄とスーツの上着を持って部屋を出ると、リビングへ荷物を置いて洗面所に直行。真夏の水道水はぬるい。徐々に冷たくなるそれを顔に受け、今日一日の為の気合いを入れた。




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