PURPLE DAYS
いきなり
「……やっぱ似合ってる。買って正解!」

微笑んで言ったその顔が、あたしの首筋に降りてくる。これはまさかの展開か。少しは“待つ”とか“我慢”という単語を覚えてくれないのでしょうか、君は。



「ちょっと朱希…っ」

分厚い胸板を押して体を離そうとしてもびくともしない。そうしている内に、首筋に生ぬるい唇が触れる。この温かさは、目を開けていなくても誰のものか分かってしまう。





「んっ…!朱希、痛いっ!!」

「……気持ちイイ、だろ?じゃあ舐めといてやるよ…」



二人きりの部屋に、朱希の唇が肌に吸い付く、チュッ……という音が響く。じんわりと痺れる痛みに思わず声が洩れる。時折、朱希の切ない吐息が肌にかかった。

朱希は休む間もなく、あたしの首筋から肩、胸元にかけて紅色の痕を残していく。その目を恐る恐る見つめてみる。何かに憑かれたような恍惚の表情が、虚ろな視線をあたしに向けていた。





[*←前][次→#]
[戻る]


あきゅろす。
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!