PURPLE DAYS
デザートにはケーキ。
「──23歳おめでとう。」
俺が言うと涼は、有難う、と言って照れ臭そうに笑った。
「朱希の誕生日は覚えてるんだけど、自分のはすっかり忘れてたよ……朱希の誕生日は夕飯豪華にするからね!」
「ん、期待しとく。腹減ったから早く食べようぜ…」
俺の言葉に、涼は笑いながら、はいはい……と言う。あ、今、子供扱いした。ムカついたから軽く睨んでやると、小さな「ごめん」が返ってきた。
「……おいしー!やっぱケーキは『Postres』だよねー。朱希ありがとー!!」
涼はニコニコしながら、俺が涼のお気に入りの店で買ってきたチーズケーキを頬張っている。俺はそんな涼を、微笑みながら見ていた。
「ていうか朱希、自分の分は買わなかったんだね。こんなに美味しいのに……一口あげようか?」
涼はクスッと笑って言う。なかなか可愛いこと言ってくれるじゃん?
「んー……じゃあ、ちょうだい?」
フッと笑って口を開けると、涼がケーキを刺したフォークを口元に持ってきてくれた。
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