PURPLE DAYS
今日は何の日?
「──ただいまー。」

玄関を開けると、中からパタパタと足音がする。



「お帰り!ちゃんと朱希より早く帰ったよ!!」

涼は言いながら、俺にお茶が入ったコップを渡してくれた。



「ありがと……今日めちゃくちゃ暑かったんだよなぁ…」

俺はそれを飲み干して、再び涼に手渡した。





「お疲れ様。お風呂入ってくる?ご飯でも良いけど。」

ニコニコと笑う涼に俺は、ちょっと待ってと告げてから、後ろ手に隠していた小箱を見せた。





「これ、なーんだ?」

「え……何それ?ケーキ?」



涼の言葉に俺は頷く。こいつ、まさか本当に忘れてるんじゃないだろうな。





「……ていうか、今日は何の日でしょう?」

俺が言うと涼は、うーん……と考え込む。呆れた俺は、仕方なく正解を口にした。










「……今日、7月8日だよ?涼の誕生日だから!!」










「……あー!!ほんとだ!!全然頭になかった…」

あはは……と苦笑しながら、涼は俺から箱を受け取る。それから二人でリビングへと向かった。





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