PURPLE DAYS
秘密計画実行日
side朱希
──それから数日後の7月8日。蒸し暑くて嫌になるけど……俺にとっては、特別な日だ。
「……じゃあ、行ってきます。」
玄関で言うと、涼は笑って「行ってらっしゃい!」と言ってくれた。この笑顔が毎日の活力になる。
「……あ。お前、今日早めに帰ってこいよ!」
「え、何で?今日は朱希が迎えに来ないから?」
涼は首を傾げながら言う。
「おう、心配だからな。俺より後に帰ってきたら襲うから。」
ニヤリと笑って言うと、涼に頭をバシンと叩かれた。
「分かったから……早く行きなさいね?」
「はいはい……じゃあな。」
俺は軽く手を振って玄関を出た。振り返らないけれど、後ろから熱い視線を感じる……なんて言ったら自意識過剰か。でも、涼は絶対見てる。俺の後ろ姿が小さく消えるまで。
駐車場で愛車に乗り込み、エンジンをかけて出発する。心の中で、俺は小さく呟いた。
……ミッション、スタート。
[次→#]
[戻る]
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!