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高杉×男主



3年Z組、ゼットではなくズィーと呼ぼう。そんな変な名前の通りZ組は変人の集まりだ。みんなが皆おかしい、そして俺のその頭がおかしい連中をまとめる委員長をしている。なんてこった
そして変なクラスには変な教師が着くわけでZ組は坂田銀八という訳の解らない…ゴホン、糖尿病予備軍の死んだ魚(いざという時に輝く)の目をしたアンニュイな野郎だ、

そして俺は新たな(はた迷惑な)指令を出されるのだ


「嫌だ!断るっ」
「君、委員長でしょうが、1人戻すくらい出来ないの?」
「お前は教師だろーが!」
「関係ないから、はい行って来なさい」
銀八は俺が年上に逆らえないのを言いように利用していると思う。まぁ従ってしまう、俺も俺なのだが、
翠は屋上に足を進め当たりを見渡した、そしてある人物に辿り着き。声を掛けた

「高杉晋助、つーのはお前だよな?」
「あァ?俺だが」
「教室戻るぞ」
「なんで?」
「なんでってなぁ、それが義務だからだ!早くしろよ」
「断る、義務てめぇはなんでもするのか?」
「……違うけど、さ」
その返答に高杉はクククッと喉を鳴らし視線をこっちには向けなかった、それが翠は何だが悔しくて反論した

「つーかなんでいつも来てんのに出ないんだよ?」
「見たい物はあるが、授業に出てどうする?俺は出ても出なくても同じだぜ?」

高杉は頭がいい。普通に受けなくとも進級テストに受かれば教員も文句は言えないのだ


「でもさ…高杉はいいかもだけど寂しがってる奴だっていると思うけど?」
それにようやく高杉は振り返った。表情が読みにくいが少し驚いているようにも見える

「マタ子とかさ?高杉にべったりじゃんか」
「……知ったこっちゃねェよ」
「高杉はよくてもさぁ、俺だって嫌だよ」
「わざわざ迎えに行くのがだろ?」
高杉はタバコを一本銜え火を付けた。煙管は委員長の手前出せば永久に帰って来ないと思ったからだ

「まぁそうだけどさ」
「別にいいじゃねェか、放っておいたらいい、」
「そう出来たらそうしてる」
「クククッ、まぁそうだろうな」
高杉はまた喉を鳴らし灰を吐き出し翠を見た。黒い髪が綺麗だなぁ、っと翠は見入っていた


「高杉はさ、何を見に来てんの?」
「言う必要はねぇ」
「まぁそうだけどさ、俺はさ、意外に好きなんだよあのクラス…そりゃぁ変な奴ばっかだけどさ?一番義理とか人情深い奴がいると思うんだ、銀八だって普段はあぁだけど俺は尊敬してる」

「なにが言いたい?」
「高杉にもさ好きになって欲しいんだよ、んで一緒に笑いたい…いやその相手は俺じゃなくてもいいんだけどさ、そんな相手を見つけて欲しいんだ」

「……………くだらねェ」
「くだらなくねぇよ、大事な事!まぁ明日も来るから!」
「来るな、鬱陶しい」

だが、翠は毎日毎日、来るようになった。終いには待ち伏せし世間話をし帰る、更生はどうしたんだ、と言おうとした高杉だが面倒なので止めた。翠は委員長であって、委員長で無いのだ。タバコを吸おうとしても別に気にとめもしない。そして遂には1本くれとせがんで来る、意味の解らない奴だ。


「高杉〜今日さぁ、土方と騒いでたら総悟に殴られた。めっちゃ痛い、だてにTシャツにSって書いてないわ、サドだよアイツ絶対」
毎度毎度他愛もない話しをする翠に高杉の反応も前に比べれば良くなったと思う

「おーい聞いてんのか?」
「…………………翠」
「ん?」
「うるせェ」
「だって俺が黙ったら高杉なんも喋んないしさ、静かになるじゃん」
「静かな方がいいだろ」
「いや良くないね、高杉はもっと饒舌かと思ってた」
「クククッまァそうだな、だがお前相手だと黙ってる方がいい」
「はぁ?なにそれ」
「お前の声聞いてて心地良い」
「!!!!!!………バカじゃねぇの!?」
「バカじゃねェよ、」
翠は顔を隠しそっぽを向けば横から喉で笑う声が聞こえた



「なァ、翠」
「なに?」
「お前好きな奴いるだろ?」
「いねぇけど」
「そうか、」
「高杉いんの?」
「あァ、思い続けて2年になる」
「うっそマジで!?高杉って奥手なの?そんな感じ全然ないわ、むしろズカズカっとやってそう」
「酷い物言いだな、俺だって好きな奴には慎重だぜ」
「へぇ〜、俺は割と積極的なんだよ、っても高杉は興味ないわな」
にっこり笑ってペットボトルに手を伸ばした瞬間、腕を引っ張られて抱きしめられた



「た……かすぎ?」
「名前で呼べ」
「???晋助?」
ぎゅーっと抱きしめる力を強くされ翠は困惑した。そして困惑した頭では考える事は出来ず次に何をされたか解らなかった。が、息苦しさで理解するしか無かった
────俺は今、キスをしている。高杉と

「えっな、なに?」
呆然とする翠に高杉はもう一度口を塞いだ。腕を固定し深く深く欲を押し付けた




ミイラ取りがミイラになった例





「高杉!どこが慎重派だよ!?もろしてんじゃん!てか2年の思い人はどうすんだよ!?」
「お前だよ、お前…俺が好きなのはお前だ」
「え………うっそ、マジで!?」
「俺と付き合うだろ?」
「はい………よろしくお願いします」
真っ赤にした顔で目を泳がす翠に口元を緩めまた抱きしめた


「(銀八に1万で翠を来させるように頼んだのは間違いじゃなかったみたいだな)」
高杉は嬉しそうに笑った。






あきゅろす。
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