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男主×弓親



唯一僕が、僕以外で思った。
─────美しい人だ、と
僕は醜い物が嫌いだ。視界に入れるつもりも毛頭ない、あの綺麗で美しい方は自然と視界に入る、何故だと問われれば…美しいからに限る

落ち着いた真っ黒の襟足の長い髪は艶やで黒真珠のようだ、それにあの色素がない瞳はダイヤモンドのようにも思える。白く薄い肢体には死覇装に映えより一層高貴なオーラを漂わせている


「ねっみー」
「うわっ」
「なぁにびびってんのさ弓親」
「別に何でもないよ」
彼は護廷十三番隊の一員で有りながら所席が無い。理由は簡単だ、監視下に置かれているからだ。彼の霊圧は異様で偉大で隊長だったのだが引退をした、そして現世には行かずここへ止まっている

「弓親、返事がほーしい」
「僕の返事は決まってる、言っただろ」

「だって諦められねーもん」
「なっ!」
「俺はイエスしか聞かないって言ったじゃんよぉ」
見た目とは違ってだらしない言い方をする。はっきり言って美しくない


「君のあれが告白なんて部類に入ると思ってるの!?あんな猥褻文を聞かされた僕の身にもなりなよ!」
「え?なに?ただ俺は弓親にピ─やピ─をしたいしよがって欲しいしぃピ──をした弓親を見たいって言っただけじゃん!」
「黙れぇぇえ!!!」
頭を傾げる翠は酷く楽しそうな顔をしていた。弓親は不快な色を見せていた


「なーんで返事くれないのさぁ」
「うるさい!僕は忙しいんだ」
「えー嘘ぉ?」
「あぁうるさいなぁ!」
「弓親ぁ〜」
「うるさいッ!」
そう怒鳴れば少し悲しそうに眉尻を下げた、口を紡ぐんだ翠に弓親は気持ち悪くて頭を傾げるが翠は険しい顔をして弓親に近づき反動で目を上げれば抱きしめられ低い声に鼓膜が震えた

「消せ 紫雲」
斬魄刀の名ではなく渾名を呼べば音もなく虚は完全消滅した


「な、」
「メノスだよ〜弓親は気づかなかったのかな?」
にっこり笑う翠に弓親は呆然としていた

「……メノスを…」
「えぇ?」
「霊圧も、隊長より…遥に、」
「え!もしかして弓親!俺に感動してるの!?ちょー嬉しいもっと誉めて!もっと誉めて!」
「えぇい!うるさいよ!耳元で喋るな!」
「てゆーか肌スベスベですねぇ」
「ひぃいいい!!!」
「そんな嬉しがんなくても」
「嫌がってんだよ!」
「えぇ〜嘘ぉ」
抱きついたまま言われ弓親は溜め息をし頭を抱えた



─────勝てそうにない
しつこさにも、強さ、時々見せる気品も。全て…美しい


「弓親?」
「なに?」
「好き、」
「……………」
「愛してるんだ、弓親」
ぎゅぅーっと抱きしめれば弓親は溜め息を尽い

「構わないよ」
「え?」


「だから!んぅう」
振り返った瞬間、唇を塞がれあろう事か舌まで絡められ弓親は酸素不足に瞳に涙を溜めていた

「あふ、っ」
ゆっくり唇を離せばガクッと崩れ落ちるのを翠は支えた

「ごちそうさまでした、」
「なっ、な」
「弓親ぁ〜、」
「見るな!」
「えぇ〜なんでぇ?」



したがって、そうである
(しつこさは異常で手に入れても異常)





「弓親〜俺の事すきぃ〜?」
「あーもう!うるさい!」

「ね、ねっ弓親ぁ〜もっかいチュッてしていい?」
「黙れぇぇえ!!!」
「え?弓親っ!離さないよ」
「!(なんだその美しい顔はっ!)」
「弓親?」





20080517



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