[携帯モード] [URL送信]
銀時×男主



俺はきっと試されている
ドドーンと目の前に立ちはだかるのはお化け屋敷と書いた。いわゆる遊園地のアトラクションだ。誰だこんなもん作ったのは視聴者からブーイングくらえと内心毒づいた
チラリと横を見れば並ぶ翠は無表情だった

「(余計怖えーよっ!)」
きっかけは些細な事だった。
俺が一世一代の愛の告白を翠にしたのだ、そしたら翠は顔色を変えず「遊園地に行こう」と言い出した
ジェットコースターは良かった、密室で話したくて観覧車に乗ろうとそれとなく言えば「ノロいから嫌」とスパッと切り離され銀さん立ち直れそうにない

そして今、やはり試されている
翠から返事はもらえてない。そしてあんまり嬉しそうに笑わないし喋らない、告白する前はあんなに喋ってたのにと思うと避けられてる?いやいやじゃぁなんで遊園地?


「銀時なにしてんの?ビビってんの?」
「なぁに言ってるのかな翠くーん銀さんがビビる訳ないじゃん」

「………あっ」
ズザーと銀時は翠の後ろに隠れた、


「ビビってんじゃん」
「違いますー!今ビックリしたんですー!」
あわわと弁解すれば冷ややかな目を向けられた。…泣きそうです

ギィヤーと女の叫び声が聞こえた瞬間、天井から人形が落ちてきた
「ギャー!!!っうぉらぁああ!」
「銀時?」
「ちっ違うよ?銀さんビビってないからマジで!銀さんビビってないから!」
「ふーん」

ヤバい落とされる、と脳内をかすめた
気づけば翠は俺の手を握って横を歩いていた


「(ヤバい、感激…!)」
「わっ」
「(ビクーッ)」
銀時は体を動かすと翠と目があった、翠はじっと見た後口を開こうとしたが、

─────後ろから人が走ってきた、
「うらめしやぁあああああ」
「ギィヤー!着いてくんじゃねぇっ!呪い殺されるー!!!!」
猛ダッシュで走り出した銀時に担がれた翠は上で「ぎんっストップ、とまっ痛!」見事に舌を噛んだ


「ハァ、ハァ…こ、怖くねーよ。てゆーかこんな幼稚なもんに銀さんがビビっる訳ないじゃん、まぁちょっとビックリしたけど…ビックリしただけだから!」

「銀時」
「え?」
「とりあえず下ろして」
「えっあ、はい」
ストンと下ろされた翠に銀時は目を泳がせた。これは確実に落ちたのではないだろう

「翠」
「いつもの銀時でいーじゃん」
「は?」
「なんかめっちゃ考えてるからさ、なんかあった?神楽や新八に黙って来ちゃったから気にしてるの?やっぱり帰る?」

「そんなんじゃねーよ」
「じゃぁなに?」
「ん、まぁ…大人にはいろいろあるの!」
「ふーん」
翠は声を低くして銀時を見た、不満そうな顔だ。端から見れば子供の世話をする大人に見えるのだろうか、子供って言っても20歳なのだが


「もういい帰る!」
「な、なんでどうしたんだよ?」
「来たくないなら来なきゃいーじゃんっうわ!」
再び抱きかかえられた翠は暴れるも「静かにしろ」と言われ動きを止めた
着いた所は観覧車だった、グッと上がる観覧車の中で翠と銀時は向かい合う形になった

「なんで、観覧車…」
「あのままだと帰るだろーが」
「来たくなかったんじゃねーのかよ」
「銀さんがいつそんな事言ったよ!てゆーか嫌がらせですかコノヤロー」
「違う!」
はっきりした口調に銀時はクエスチョンマークを浮かべて「じゃぁなに?」と問うが翠は口を詰むんだ、俯く目は泳ぎきっている

「なに?銀さんに言ってみなさい」
「…………んだ」
「なんて?」
聞き返せば翠はキッと睨んで叫んだ

「手握りたかったの!わりーかっ」
「いや悪くない…です」
顔を真っ赤にする翠に銀時はパニックになった。


「翠が好きって言ったよね?銀さん言ったよね?恥ずかしいから一回しか言わないって言ったよね!」
「うん」
「翠も銀さんの事好きなの?」

翠は少し目を泳がし銀時を見つめコクリと頷いた、
どーなってんの、どーなってんの!

「え?え、翠返事した!?」
「、してない」
「あっそう…」
呆然とする銀時に翠はチラチラ様子を伺っている、
「(え、なにこの可愛い生き物…誘ってんのか?誘ってんのか?誘ってると言って!)」

「俺さ…超プライド高いから好きとか言わねーし下に引かれるの嫌だからしても騎乗位だし素直じゃないし、冷たいし……それでもいい…?」
緊張しているのか凄く不安そうな顔をして顔を伺う翠に銀時は呆気に取られつつもギュッとなにかを鷲掴みされた気分になった。

「言っとくけど銀さんドSだからイジメるよ?翠の事凄く好きだけど嫉妬深いよ…プーだし…いいの?」
コクリと頷く翠に銀時ははーっとため息を着いて横の席に座った

「試されてんのかと思った」
「なんで?」
「お化け屋敷行くから、いや怖くねーけど」

「……手繋ぎたかったから」
チラッと目が合い翠はパッと目をそらした
「(ちょっこのこツンデレなんですけどー!)」

銀時はギュッと翠の手を握り翠が顔を上げた瞬間、唇を塞いだ


「なっ!」
かぁああと赤くなる翠に銀時は「これでチャラだ」と笑ってみせた






アトラクションには気をつけろ
(はーいお客様降りて下さい)
(!!!)
(バッカ今良い所でしょーが!)
(黙れ変態ロリコン野郎)
(ロ、ロリコン!?)






080417



あきゅろす。
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!