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男主×枢



シャツをゆっくり開けきめの細かい首に舌を伝わしゆっくり牙を当てると女は軽く悲鳴に近い喘ぎを漏らし、それに人間離れした彼は少し口端を上げプツリと皮膚を破った

血がゆっくり皮膚を破り丸く雫のように小さく溜まる、甘い血液の香りが鼻に掠め少し興奮し彼は「いただきます」と普段より低く腰に来る声で囁けば相手はギュッと肩を掴んだ

まさに今からかぶりつこうとした時冷たいが綺麗な声がした


「学園内での吸血行為は禁止されてるはずだよ」
「玖蘭さまっ」
女が枢を見て声を荒げるが枢は冷ややかな目で見ていた。それに彼は彼女にキスをした、記憶を消す行為だ。意識を飛ばした彼女に彼は破った皮膚を治癒するように何度も舐めあげ元に戻した、
後は彼女ー自室に戻すだけだと抱き上げて歩こうとすれば枢が殺さん勢いで睨みつけていた

「なに?枢様」
「純血種が校則を破るなんてね」
「大丈夫だよ、彼女も吸血鬼だから」
「……僕が許すと思っているの?」
「枢様は怖いなぁ、一滴じゃない。俺あの薬体に合わないから仕方ないじゃないか女がダメなら男に頼むよ」

ピッと切れた頬に彼は自分の血を取り舐めた。自分の血に興奮したのか瞳の色が少し煌めいている


「翠」
「なに?枢様」
「…………もう呼んではくれないんだね」
少し悲しそうな顔をする枢に翠はヴァイオレットの瞳を細め近づいた

「誘っているの?枢」
「…………僕が誘う?」
「純血種同士は純血種同士で食べ合う?でも枢は俺にくれないじゃない」

「なに言って…」
「枢はいつも狡いね俺に言わせて自分の気持ちは教えてくれない」
ゆるゆるとネクタイを緩めシャツのボタンに手をかけゆっくり前を開けた


「なにも言わないんだね、期待してくれるの?食べるよ本当に」
「構わないよ」
「嘘ばっかり」
つつーと首をに指を立て自分のシャツを広げた、弾け飛んだボタンに枢は少し驚いた


「飲みたい?かぶりつきたい?」
「………僕を惑わすつもり」
「俺の血はお前を誘惑するためにあるから」
首から鎖骨にかけて爪でピーッと切り開けば甘い甘い匂いが広がる純血種特有のそれに枢は少し目を細めるが誘惑するそれに枢は牙を尖らせブツリと皮膚を貫き零れる血液を少し惜しみ全て舐めとる
荒い息にづかいに枢は翠を見るとヴァイオレットを煌めかせ枢の頭を撫で目が合った


「美味しい?」
ぐちゅぐちゅ、じゅるるると吸い上げる音に興奮する翠ははっと熱い息を吐き耳元をチュッと唇を当てた
周りに零れる血液を逃さないように舐めた

「、っ」
「枢気立ってるね、興奮してるの?」
「そうだと言ったらどうするの?」
「誘ってるととるよ」

「…………興奮してる」
「枢、俺を手の上で転がし過ぎじゃないかな〜まぁ食べちゃうけどね」
「するなら早くしてくれるかな、睡眠時間が削られる」

「もっとそそる事言ってよ」
「なぜ僕が?」
「じゃぁキスするよ?」
すると枢は眉を寄せた、枢は潔癖だ他の女にした事をすれば嫌がるのはわかりきっている、だが枢は素直じゃないし意地っ張りなのだ。あくまで俺の前だけど


「翠」
舌なめずりをして「枢」とフェロモンを撒き散らすように声を出した

チュウッと彼女にしたものではなく愛しい者にする物だ彼が舌なめずりをするのは好きな物を食べる時だ、翠にとって枢は食糧でしかないと思うと少し悲しくなった

綺麗な首にゆっくり唇をくっつけ冷たい舌で舐めあげ喉仏を甘噛みした手は絡まれて何故か愛し合っている同士に思えた

「(そんな筈ないのに)」
遠くを見れば尖った牙がぷっくり血液の雫を作った。


「枢、」
「なに?」
「俺の事好き?」
「まさか、」
「そっか」
「…好きとでも言われたいの?」
「そうだね枢から言われたら俺両思いになるし」
「………くだらない」
「そっか、じゃぁいいや」
「なにがい、っ!」
ブツリと前触れなく皮膚を貫いた牙に枢はギュッと翠の背中を握った

吸い上げる血液の感覚より自分の血を吸っている感覚よりも翠に吸われているという事実に自分の血液が翠の体内の一部になる事に酔いしれている
いっそうヴァイオレットを濃くする翠に枢は口から母音を溢れさせた

「(好きなんて僕から言うわけない、翠から言われてもね)」




深紅を喰らう永久





風によって香る色香に枢は少し目を瞑った。吸われているのは自分なのに、その行為はまるで支配されているように思えた


(彼の仕草と口調は──みたいだ)




080415



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