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梵天×男主



ただちょっと試したくなったんだ。
横で足を組み本を読んでいる翠に質問をしてみた

「ねぇ」
「……………なに?」
そう返事をしつつも目は本に向いている、彼はよく書物を読むが余程の博識家ではない。この前「そんなに読んでも俺に勝てる訳ないだろうに」と溜め息混じりで罵れば少し睨んで「俺は競ってるつもりない」と言った、余りにも真っ直ぐ見るから少し驚いたんだ


「別れようか」
「……付き合ってないじゃん」
チラリと目を向ける翠に梵天は近くに寄ってゲシっと翠の肩を蹴った

「痛い」
「面白くない事を言うからだろう」
「?じゃぁ俺ら付き合ってるの」
初めて書物から目が離れ自分に向き梵天は少し口端を上げて質問に答えた


「気持ち悪いそんな訳ないだろう?俺とお前が?おかしな事を言うね」
「……………うっざ」
翠は床に落ちた本に手を伸ばし取ろうとすれば梵天に本を蹴られた


「…………………」
「読みたいならほら取りに行きなよ」
「もういい」
翠は呆れたように溜め息をついて立ち上がった

「どこに行くんだい?」
「別に」
「君さぁ気に入らない」
「俺はお前なんて大っ嫌いだ」
「それは嬉しい言葉だねぇ」
色気を含んだ声色は質が悪い。綺麗な金髪に少し目を細め、耳から口に繋がるピアスも綺麗だ、彼はどこをとっても全て整いすぎている


「なんだい?俺の顔になにかついているのかい」
「別に、」
「バカの1つ覚えだねぇ」
「うっさい」
やはり本が恋しいのか自然と手を伸ばす翠に梵天は少し面白く無さそうに眉間にシワを寄せ、翠の手を引いた

「?」
「お前なんで俺を見ないんだい」
「ナルシストか」
「質問に答えろ」
「見る必要がないから」
「へぇ、じゃぁ必要があれば見るんだね」
「は?もう邪魔」
「本当に面白くない」
「別に面白くなくてもいい」

いらいらしてきている翠を梵天はくつくつ喉を鳴らした。非常に不愉快だとばかり翠は眉間にシワを寄せ睨んだ


「なんだい?」
「ム カ つ く」
「へぇそれで?」
「お前のそんな所本当に嫌い」
「俺もお前が嫌いだよ」
「……お前のなんでも出来る所とか顔とか仕草とかエロい声とか短気な所とか冷静な所とか実は優しい所とか凄いムカつくから大嫌いだお前なんて…大嫌いだ」

その言葉に梵天は少し驚きそして口端を上げ翠を壁に追い詰めた

「な、なに?」
「お前さぁ、言った事理解しているのかい?」

「なに、が?」
翠は身長差で少し上目線になる、長い睫毛と翡翠の瞳をしげしげと見、視線が交わった

「それ俺が凄く好きだって聞こえる」
囁く質のいい声色は鼓膜どころか脳内さえも震わし支配し何も考えられなくなっていた

「好きなんだろう?」
「違っ」
「へぇそう、俺も好きじゃないよ」
「俺だって好きじゃ…ない」
「嘘は良くないよ、翠」
「!」
ビクッと肩を震わし梵天を見れば美しい梵天の顔が目の前にあってキスされたのだと気づくのに数秒かかった

「な、なにして…」
「キス」
「なん…で」
「そんなの君に嫌がらせをするために決まっているだろう?まさか俺が君を好きだなんて思ったのかい?とんだバカだねぇ」

「うるさいっ」
きゅっと拳を握る翠に梵天はもう一度唇をくっつけた

「やめ、ろよっ!」
「俺が好きなら好きと言ってごらんよ」
「好きじゃない」

「翠、いい加減にしなよ頑固者」
「うっぅ、お前なんか嫌いだ」
泣き始めた翠に梵天は頭をポンポンと撫で呆れたように口を開いた

「泣けなんて言ってないよ、なんで泣くんだい?」
「お前が…っく嫌いだって言うっから」
「俺はお前に大嫌いって言われたんだけど」

「お前が試すような事を言うからいけないんだ」
うぅと泣く翠に梵天は指の腹で涙を拭って再び口を塞いだ


「でどうなんだい?君は俺が好きなの?嫌いなの?」
ぐずぐず泣く翠に梵天は「どうなんだい?」と聞くと大きな目は一瞬目を交わらせ囁くように小さな声を出した
「?」
「………だ」
「なんて言ったの?」

「お前が…梵天が好き」
顔を真っ赤にして呟いた愛に梵天も少し顔を赤らめた、なにより彼から出た自分のファーストネームに。口を耳元にくっつけ普段より甘く囁いた

「         」




ほら言ってごらんよ
(素直になるなら試してみるもんだねぇ)
(うるさいっエロ野郎!)
(言ってなよバカが)



「好きじゃないよ、俺は翠を愛してるから」




……………………………………
初梵天です、梵天は限りなく
Sくらいだと思うので自分
から絶対好きだと言わない
と思う!んで虐めるのが好き
だと思うんだっ(謎)



080411


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