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喜助→男主



東雲翠(17)変なモノに取り憑かれました。空座町の由々しき高校生翠さんはなんて言うかなぁ?あれだオカルトは信じないんですがあれですねぇ…見えます

「うわぉ〜今日は一段と激しいなぁ、オイ」
小言を言えば後ろから「そぉっスねぇ」と言われ溜め息が漏れた



「また尾行ですか〜浦原さん」
「いや、ね?ちょうど翠サンの姿が見えたので近づいて驚かそうと思ったんスけどタイミングが」

「あ、そうですか」
興味無さそうに返事をしその中へ進もうとすると扇子を片手に下駄帽子が後ろを歩いている。不愉快以外の何物でもない


「何時までついてくんのさ」
「翠サン見えるんですか?」
「(無視か!)…見えるちゃぁ見える」
スタスタと歩き喜助を見ず学校に向かって足を進める



「さぁすがは黒崎さんの友人だ」
「一護と友達だったらなんかある訳?」
そう言いつつも喜助の方は向かない。一定の距離を保っている

「別にそうゆう訳じゃないっスよ」
「てゆーか何時まで着いてくんのよ?アンタ」
「気配消してんのにわかりました〜?」

「鬱陶しいな」
バッと後ろを見れば今日初めてのご対面だ。翠の顔は一護以上に不機嫌に歪められている


「やっと顔見せてくれましたね」
にんまり口端を上げる喜助に翠の眉はぴくりぴくり反応を繰り返した

「てゆーかなに?」
「いいえ?別に」
「うっざ」
「言葉に出てますよ翠サン、いくらアタシでも傷つきます〜」
そんな会話すら翠は無視して足を進めた


それでも喜助は後ろを歩いている。翠はイライラしていた、そして1メートル歩いた瞬間その怒りは爆発した

「ダーッ!うぜぇなあ!歩くんなら横歩けよ!なんだよアンタ!」
「いいんスか」
「アンタこれだけついて来てよくそんな事言えるな」
ふつふつとまた苛立ちが上昇している。翠は結構な短気だ、一護に並ぶくらい不良で有名だ。そりゃもう髪だってド派手な銀髪に少し色の濃いメッシュが数本ある


「だー邪魔だ退け!翠っ」
走って来る一護に翠はにやりと口端を上げた。それは一護の後ろの獲物に向けられているが一護はあの笑みの理由を知っているので一気に青ざめた


「ラッキー、サウンドバックはっけーん」
そりゃぁもうフルボッコだった。仲間を助けたという物だが内容はまさに八つ当たり以外の何物でもない

「一護よくやった、あのサウンドバックは最高だ、あースッキリした」
「よく20人相手に出来んな、てゆーかなんでアンタがいるんだ…浦原さん」


少し目線をずらせば面白いものを見たという風に口端を上げる下駄帽子…もとい浦原喜助がいた
「だから翠サンを驚かそうと思ってついて来たんスよ」
「…………ストーカー」
「言ってくれるな一護、俺は今サウンドバックですっきりしてんだから」

カバンを持ち上げまた通学路を歩き始めた翠に一護は喜助を気にしつつも翠の横を歩いた


「翠サン」
「ア゛ァンしつけぇな!なんだ…」
「…………………あ、」
それは一瞬だった。
第三者の黒崎一護は一気に青ざめていたが被害者の東雲翠はもっと複雑な表情をしていた


「ハハハ奪っちゃいました」
にへらと笑いながらそんな事を言う喜助に翠が通学路を逆戻りしたのは言うまでもない

「死ねゴラァアア゛ア」
その叫びは空座町に響き渡っていた
一護は遠くなる翠の背中を見てこれまた複雑な顔を見せた


「(お前一番すげぇもんに取り憑かれてるぞ)」








Ι

は笑って逃げた。

(てゆーかお前ハンターじゃねぇから!ストーカーだから!)




「感激ッスね翠サンがアタシを追いかけてるなんて」

「待てゴラァアア゛ア!ぶっ殺してやる!」
「(いや、それはねーだろ浦原さん)」



20090311



あきゅろす。
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