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男主×骸(死にネタぽい)


どうやら神様とやらは信じないと協力してくれないらしい。もちろんの事僕は信じるわけでも無くましてや崇拝するわけでもなかった。殺人鬼が神を信じていたらおかしいじゃないですか、と鼻にかかった笑みを零した

だが神は殺人鬼には無縁の最愛の人とやらを送りつけて来た。よっぽど頭がいいのだろうそれは僕の中心を意図もたやすく掴み放す事は無かった


まるで幸せの中で暮らしているかのようだった。彼は僕を理解し受け入れそして与えてくれるのだ。僕は正直の所…彼に依存し愛していた。
「骸、おいで」
「僕を犬かなんかと勘違いしてませんか」

「いいやしてないよ。早くおいで」
「…………………」
「なにか不満かな?」
少し眉尻を下げる翠に骸は歩みより翠の首をグッと引き唇を奪った

パッと離せば翠は抱きついて「素直じゃないねぇ」と言っていた。顔は見えなかったがさぞかししまりの無い顔をしているんだろう


でも何故か名前を呼ばれる事に喜びを感じ安心してしまっていた。情が移っていた




それが気にくわなかったのか神様はやはり僕に味方をしてくれなかった。翠が余命幾ばくもない命だと診察された、神とやらは僕で遊んでいるようだった。でないとこれは余りにも酷すぎる、所詮生き物は死んでしまうわかりきった事なのに彼を選ぶのはやはり神は僕が気にくわないのだろう

ぼーっと一点を見つめる骸に翠は手を握った。少し体温が低い指先に気づいて顔を翠の方に向ければ笑っていた

「なにぼーっとしてるの骸、俺の事が気になるかい?」
くつくつ喉を鳴らし笑う翠に骸は睨みつけた。それに翠は骸に手招きをして自分の膝に無理矢理乗せた


「そんな事をして悪化したらどうするんです?」
「いいんだよ、今は骸を感じたいから」
またしまりの無い顔で笑っている翠に骸は首もとに顔を押し付けた

「ねぇ骸、俺がハゲたらどうする?」
「…………?」
「副作用みたいな感じに髪が抜けるんだって、俺はさ嫌だから止めようかなぁって」

「なに言ってるんですか!」
「だって骸が好きになってくれた容姿を手放したくないし、それに無理して長生きしなくてもいいだろう?」

「バカですか?」
「えーそうかなぁ?」
「(僕はあなたの容姿だけに惚れているわけじゃないのに)」

「安心しなよ、臓器だけ死んで逝くようにするから見た目なんて変えずに君のそばにいるから、あっでもこれはこれでウザイかな」
にっこり笑い軽く唇をくっつける翠に骸は涙が出そうになった。彼の能力だとそれは可能だろう、

(でも)
(それは余りにも)



「骸、俺が元気なうちにしとこうか」
「…………………」
「あ、やっぱり嫌かな?」
「違います…!」
涙を溜めた瞳を上げれば翠はくすりと笑って何度もキスを落とした。

「好きだよ骸、誰よりも」
「僕もあなたが好きです」
「あれ?じゃぁ両思いだ。嬉しい」
ぎゅーっと抱きしめる翠に骸は翠の心臓の音を聴いていた



その後体を繋げ生産性の無い事を何度もした。その度に快楽で歪む翠が愛おしくて、僕がそうしているのだと思うと何故か興奮した。情事の翠は普段の数倍甘い、全て溶かすみたいに僕を扱う。ガラスを触るみたいに慎重で丁寧で涙が出る

「骸、ほらこっちを向いて」
「い、やで…す」
「それは困るなぁ、俺は骸のイった顔見てからイく主義なんだけど」

「どんな趣味ですか」
「え?こんな趣味だよ」
すると翠は腰を進めると骸は呆気なく果て瞳はずっと翠を見ていた

「綺麗だね骸、」
「翠」
「ん?」
「内蔵を摘出したら僕が幻覚で、なんとかします」
その言葉に翠は眉尻を下げ骸の汗ばんだ額にキスを落とした。

「それは嫌かなぁ」
「…え」
「骸に負担がかかるし俺は摂理には従うタイプなんだ。だからね骸それはダメだよ?癖にもなっちゃうから」
にっこり笑う翠に骸は少し寂しそうな顔で頷いた


それから数ヶ月病状は悪化しても翠の容姿は変わらずいつも通り健康そうな顔をしていた。それが余計にツラくて骸は直視出来ない、すればするほど涙が溢れそうになるから
それを知ってか知らずか翠は必ず骸の名前を呼び頭を撫で抱きしめた


「嫌かな、君より7つも上のおっさんは」
「好きです」
「あは、嬉しいなぁ」
抱きしめる腕には前ほど力はなく骸は胸に耳をあて心臓の音を聴いた

(大丈夫、まだ聴こえる)

「骸、多分俺はもうすぐいなくなると思う」
「………はい」
「ゴメンね俺が好きになったから君にこんな顔をさせてしまって」
「あなただけが好きみたいに言わないで下さい、僕も好きなんですから」
「嬉しいなぁ、骸」
顔を上げ深く深くキスをすれば翠は笑って骸の頭を撫でた。


「骸が女の子だったら子供産めたのに、あっでも骸は骸のままがいいかな俺は骸が好きなんだから」
ふふふと笑う翠に骸は泣くのを必死に堪えて頭を翠の胸に押し付けた

「骸は俺にお願いしたい事はないのかい?」
優しく言えば骸は重たい唇を開けた


「証を下さい」
「証?」
「僕とあなたが存在した証が欲しい」
「なにがいい?体のパーツでも構わないよ」
宥めるように背中を撫でれば骸は少し考えて翠の顔をジッと見た

「ほら言ってごらん」
「、僕はあなたの赤い目が欲しい」
「うん、わかった」
(死んだらお医者さんに頼むんだよ、俺からも言っとくから)
と翠は笑い骸の頬にキスを送った

「あと」
「うん」
「もう一度、抱いて下さい」
「うん、わかった」
そして翠は骸の頬を撫で毒を塗られた唇で骸の唇を奪った。そして全身に転移するようにじんわりじんわり攻め立て最後にはなにも考えられないように神経を鈍らせ奪う

「骸」
「、翠」
「笑って」
「ほら、早く」
「ん、ぁ」
少し顔を緩めれば翠は綺麗に笑って軽く唇をくっつけ毒を撒き散らした


「骸、愛してる」
「!〜〜〜〜〜っ」
(なんで今言うんですか、一度も言わなかったのに)

そう言った翠の顔は凄く満ち足りていてて、とても綺麗で尊かった


神様とやらは、最後に死を与えるらしい。それは誰もが平等に与えられるもので死に方は様々らしい、でもきっと翠は神様とやらに愛されていたのだろう。でないと死ぬ時あれほど綺麗に笑わないと思うから
僕は神様とやらに嫌われている
でも翠には愛されていた。きっと神様とやらは嫉妬していたのだろう、目にかけていた翠が僕を愛したからだから死を与えたんだと僕は思う


(あぁ、感化された)

(でないと)

(僕はそんな考え方をしない)


「骸」

(それと、)

最近右目から翠の声が聴こえる。穏やかで低く甘い声が、みるみるうちに溶かして貰った目から水が溢れるんだ。


(嗚呼、あなたは本当に)

(麻薬のような、人だ)




心さえもグズグズに溶かして
(もう機能しないくらいに、全て)


…………………………………
悲恋を書きたかったけど、
やっぱり無理だった。骸は
依存症だと思うんだ!まぁ
本当に中身の無い文で
すいませんしたっ!(逃)

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あきゅろす。
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