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ディーノ×男主


ボトボト

グチャ

パラパラ


「(……………………)」

ボトボト


「(…………………………)」

ボトッ


イライライライライライライラ

「お前ーっ!!!!」
「え、ぁ?」

「なんぼほど落とすんじゃボケ!!」
「あっあ!わりぃ」

「なにがわりぃだ!お前がイタリア出身って言うからパスタにしたんだろーが!!それをお前はなんぼ落としたら気がすむんだカス野郎!!!」


「翠、オレのためにパスタ作ってくれたのか?」

「ちっ違うわ!!ボケ!俺が食いたかったから作ったんだよ!調子のんな!てか汚れてんのに近づくんじゃねーよ!」

今にも抱きつきそうなディーノを制止させ手を洗わせた。


「おい!こっち向け」
「ん?」

タオルが口元を往復する。

「口にいっぱいついてんだろーが」
「!!!!(かわいい)」

じーっと翠を見つめるディーノに翠は極端に眉間にシワを寄せた

「なんだよ」
「いや、かわいいなと思って」
「バカにしてんのか」

イライライラとぎゅっと眉間にシワを寄せた翠の眉間にディーノはちゅっとキスをした
瞬間、右ストレートが綺麗に決まった


「いてー」
「バカが調子に乗るからこんな目にあうんだよ」
ハンッと鼻で笑う翠は生き生きしているように見える。Sっ気があるのだろう

「翠〜」
「抱きつくな」
イライラしている翠はまた眉間にシワを寄せた、大型犬のような図体でしがみつかれればさすがに重い。


「重い!」
ムカついて振り向けばちゅっとリップ音が聞こえた

「翠?」
「てめぇ!!!性懲りもなくまたしやがって!!」


「キスしただけじゃねぇか」
「ふざけてんのかてめぇ!!」

イライラしたようにディーノを見ればチャイムが鳴った



「はいはいはい」
「………」


「あ!ちょびヒゲ」
「……ロマーリオだ」

「どうしたんすか?」
「ボスいるか?」


「おーどうした?ロマーリオ」
すっとカッコ良くなったディーノに翠は唖然とした。

「ボス、そろそろ…」
「ロマーリオ場所を考えろ」
(…かっかっこいい)
翠はディーノのを見て惚れ惚れしていた。いや本当にこのちょびヒゲがいる時だけカッコ良く見えるのは何故だ



「だけどよぉボス、そろそろ帰らねーとファミリーの連中が困る」
(……え?)
その言葉を聞くとディーノは俺を見て眉を下げた

(あ、)
(──…そう言う事か)

ぎゅっと拳を握った。


「ほらちょびヒゲ、早くこいつを持って帰れ、」
「ちょ、おい!翠っ!!!」

「いつまでもお前の世話なんてしてらんねーんだよ!」

自分は今どんな顔をしているのかなんてまるで他人ごとのように考える自分がいた。後はディーノが名前を呼ぶ声とそれを困った顔をして引っ張り連れ出すちょびヒゲことロマーリオ、


(最後くらいは)
と思って俺はにっこり笑って

「じゃぁなディーノ」
と言った。声が震えてたかもしんねぇ、だけど笑えてたのならいいと思った、けれどそれも叶わなかったのだろう。だってディーノが凄い泣きそうな顔をしていたから


ガチャンと無機質な音がしていっきに涙が溢れた、

(なんで)

(俺が泣きゃなんねーんだよ!)

リビングに戻るとディーノこぼしまくった食べかすを見てフッと笑ってしまった。

「うっく…〜〜〜〜〜っ!!」
声を押し殺して泣いた。
もうアイツとこんな風に生活する事なんて、ねぇんだろーなぁなんて思っただけでこれなんだから、きっと俺は…



(ディーノが)

(好きだったんだなぁ)
って実感した瞬間、凄い勢いでドアが開いた


ドン

バタバタ

ズザ─────ッ


振り向くとディーノがいて
ディーノは凄い勢いで転けていた。


「お、おまっ!!!」
「やっぱ泣いてた」

「は?」
「お前が天の邪鬼なのは知ってるからな、泣いてるかと思って」

「うっ自惚れんな!こ、これは今さっき足ぶつけたんだよ!!」


「はいはい」
目元を擦り拭くディーノの服の裾をキュッと握ってしまった自分は末期だと思った。それにディーノはぎゅっと俺を抱きしめ、またキスしてきた


「怒らないのか?」
「…………今はいい」
首もとに顔を埋めた理由は泣き顔を見られたくないからである。ぐずぐず言っている俺が言うのももはや滑稽でしかないが

「なぁ翠」
「今顔見たらぜってー殺すからな」


「翠、俺と一緒に来ないか?」
一瞬なに言ってるか分からなかったけど、違う意味で泣きそうになってディーノの背中を抱きしめ返した俺は多分その時、頭がおかしかったんだと思う。だって嬉しいとか思って、肯定するなんて俺には有り得ない事だと思ったから、

恋は一瞬ものなのです。
(気づいた時には戻れなくなっていました)


なんだこれは…(←)
20081206



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