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山本×男主
最近の山本はなんだろう。変わった
いつも必要以上に引っ付いてきて、人気のない所でキスしたり…その…エッチしたり…それはもう盛ってた。でも最近は、違う

一緒にいるけど、近づいて来ないし触ろうとしない、淡白になったと言えばそれでいいのだろう。でも…いやいいんだ!
俺の腰は痛くならないし、唇はヒリヒリしなくてすむし!!そうだっこれでいいんだっ…!!



「翠ーおはよ」
「おっおはよ」
当の本人登場で翠は声が裏がえった。いやもう挙動不審だ


「ん?どうかしたか?」
「いや、なんでもない」
「そっか」
そう返事をして直ぐに離れる山本。
なんでそんな素っ気ないんだ
……いやいや!これでいいんだ!あんまり引っ付いてそんな仲だと公開されるのはマズい。そんな仲だからマズいんだ

悶々と考え、山本に目をやると女の子と喋っていた。
(な、なんだよアイツ…最近俺と喋らないのに)
ポツンと出た嫉妬に自分で自分が嫌になった。それにこんな事を山本にバレるのは嫌だ、絶対バカにしないと思うが絶対に嫌だ!俺のプライドが許さない


募る不満に翠は頭を抱えていた。
解決方法は解っている。
俺が素直に不満を山本に言えばいいのだ。

(最近どうした?)
(俺なんかした?)
(しんどい?)
(もしかして嫌いになった?)
(彼女できた?)


────────バカか俺は、

山本の後ろ姿を見つめた。
絶対に言えない、だから気づけ俺の思いに気づけ、山本お願いだから。嫌いだったら…別れるから
女子と話す山本を見れなくなった俺は静かに教室を出た。

(痛い)
(もう嫌だ俺、なんなんだ)
(山本のバカ野郎…)
目頭が熱くなり手で拭こうとすればバシッと掴まれた。その反動で翠は後ろを見ると少し困った顔の山本



「どうかしたのか?」
「………なんでもない」
パシッ手を払いのけた。いつもの事だ、手を握ろうとすれば翠は払いのける。そんなのしなくてもいいだろう?と言って

一瞬山本がツラそうな顔をしたように見えた。ぎゅっと胸を締め付けられた感覚に目が熱くなった


「保健室ならオレがついて行く」
「別にいい」
「風邪か?」
「だから何でもない」
そう言うも近づいてくる手に翠は勢いよく払いのけた。

「いいって言ってんだろ!」
「あ…、わり」
行き場の無くなった手は宙をさまよい、女子の批判の声が聞こえ翠はツラそうな顔をして搾るように出した声は凄く小さく泣きそうだった



「お前なんか…大っ嫌いだ…!」
走る翠に山本は呆然と見るもハッと気づいたように後を追いかけた






「(……バカか俺は…!あんなの八つ当たり以外のなんでもない)」
自分が情けなくなった翠は目を手で擦った、


「山本なんか…大嫌いだ」
「翠」
ビクッと肩を震わせ後ろを見るといつも見る顔じゃない彼がいた。



「翠」
「うるさい!着いてくんな!」
「……なんで泣いてんだ?」
「泣いてねぇよ!!」
ぐずぐず鼻を鳴らす自分は明らか泣いている。むしろ泣いていないと言う自分がおかしい、


「オレの事嫌いなのか?」
「……嫌いだ」
「…でもオレは好きだぜ翠の事」
「なら…!」
「なら?」
バッ振り向けば間隔があいていた。



「…………………」
「なら?なんだ?」
「っよそ見すんな!!」




「よそ見ばっかしてたらお前の知らないうちに…どっか行ってや、るからな…!」
真っ赤になって言われたそれに山本は反応が一瞬遅れたが、手は翠を引き寄せていた

「今日は暴れないのな、」
「なんだよ…それ?」
「だって翠、オレが抱きついたり、手繋ごうとしたらいつも嫌がるだろ?」


「そ、それは!」
「?」
「………それは…」
「恥ずかしかったんだろ?」
「わかってんなら…!」
「でもオレだって好きな奴にそんな態度とられてツラい、しかも翠、オレの嫌いって言うし…泣きそうになったぜ」



「っ…!」
「よそ見なんかしてないぜ?ずっと翠の事見てる」
「嘘付け!」

「今日もずっと見てた」
「……………」
「だからどっか行くとか言うなよ」
「っ!!!!」



「な?」
「………ごめんなさい」
「おう!」
「安心しとけな?オレは翠が嫌だって言ってもぜってー別れねぇから」

ぎゅーっと何時もなら抱きつくがその時は手を握った。きっと山本は俺の顔を確認するためだろう。
泣きそうになった目元は赤く鼻まで赤い。でも握り替えされる手に山本は言いようのない幸せを感じた


「翠はオレの事、好き?」
バッと上を見上げ翠は山本とバッチリ目が合い。数秒見つめた後、目を泳がし俯いた



「好き………………じゃない」
尻すぼみに小さくなった言葉と比例するように翠は耳まで真っ赤にしていた。




ヒステリックプリンセス
(素直じゃないのな、)
(ま、そこも可愛いんだけど)


1101
すいませんっ
山本がわかりません!←



あきゅろす。
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