男主×綱吉
「つっなーよしぃ!!」
妙なイントネーションを付け抱きついてくるのは1人しか考えられなかった。
「…………翠くん」
「うん、あれまた筋肉ついたね」
腹筋をさわさわと触る手付きにツナはビクっと肩が動いた。
「ちょっ!」
「あーゴメンつい」
なにがツイだとツナは顔をしかめるが翠は一向に悪びれる気はない。むしろニッコリ笑っている、
これは入学当初から行われている。さすがにもう慣れた。が!彼を相手にするのはしんどいとも思い知らされた
顔は山本や獄寺くんと並ぶくらい良いから、抱きつかれると女子の目が怖い。むしろオレは被害者なんだけど…
しかもオレより20センチくらい高いから抱きつかれるって言うより覆い被さるって言った方が正しいと思う。重いたらない。
「つなーよし」
「なに?」
「かわい」
「なに言ってんだよ」
そうこの極上のスマイル、いやそれはいいんだ。毎回「かわいい」だの「小さい」だの言ってくる翠くん、オレは男だよと最初は言ってたけど面倒になったから止めた
「クラス一緒っていいな」
「クラス一緒じゃん」
「しかも前後だしね」
「そうだね」
ぐしゃりと頭に重みを感じ勢いよく振り返ると翠くんは嬉しそうな顔して頭を撫でてた。
「な、なに?」
「べっつに〜」
ニコッと笑う翠くん。そう言えば去年はクラス違うかったし、1年の時はわざわざ教室まで遊びに来てたっけ、そういえば一緒にいる事が多くなって前より上級生から絡まれなくなったかもしれない。
女子に絶大な人気を誇る翠くんだ、男子先輩のうけがよくないのも知ってる、でもなぜちょっかいを出されないのかと言うとこの性格にあるかもしれない
翠くんは絶対に人の傷つく事は言わない。主義なのかなんなのかわからないけど、オレは言われた事がない。
名前もダメツナって言われた事がないし、赤点を見せた時なんて「綱吉は偉いからすぐ点数上がるよ?」とまで言い出したぐらいだ。
あの獄寺くんですら気に入っている、本当に神様はズルい。
頭もよくて優しくて人気者で運動も出来て…オレにも分けて欲しい
はぁあとため息をつくと翠くんはオレの口元を抑えた
「んぅ」
「ため息すると幸せ無くなるよ」
「な、」
「うわー綱吉、目おっきい」
もう2センチくらいしかない距離にビックリして身を引いた。
「近い!」
「あーキスしちゃいそうだったね」
アハハと笑う彼にツナはなんだか複雑な気分になった
「つーなよし、好き」
「はいはい、どうも」
邪険に扱えないのは自分が弱いからか、はたまた彼が気になるからだろうか
「(違う!気になってないから!!)」
チワワの憂鬱
(ちょ、コラ重い…!)
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