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新年あけましておめでとう
なんて言葉を1番に吐いたのは恭弥にだった
なんせ俺は大晦日にも関わらず帰してもらえず初にお目にかかるコタツから出れずに恭弥と一晩一緒にすごした。





「春稀ってコタツ初めて?」
「うん、初めて。温いねこれ」



わざわざ草壁に頼んで用意してもらっただけの事はあるかな。
春稀喜んでるし





「…でれない。」
すでに寝ている恭弥、




「日本の初詣ってヤツに行きたいんだけどなぁ……寝てるし」
「なに?行けばいいじゃない」
「…………起きてたの?」
「今起きた。…初詣、行けばいいじゃない」
「え?1人で」
「群れるの嫌いなんだよ」
「俺も嫌だけど、林檎飴食べたい」
「…林檎飴?」
「なんか美味しそうだった」
「ふーん。」
「ね?行こ」
「だから群れるの嫌だって」
「う゛ぁあ…いいよ。骸誘うから、骸に電話する、骸に…!!」

「………行くよ。」
「じゃぁ行こう」


と温かったコタツから出た。
最近、恭弥は骸の名前を出すとなんか気にくわないのか俺の言うことを聞いてくれる。まぁいけないんだけどね
骸の事どれだけ嫌いなんだって話だよね。




「寒い…」
んっと言われて出された手


「………?」
「寒いんだけど早く手握って」
「…あッうん」
握った手をポケットの中に入れられる



「林檎飴なんで好きなの?」
「なんか美味しそうじゃない…?」
「そう…?」
「恭弥にもあげるよ」
「僕は君を食べるからいいよ」
「…………」
聞かなかった事にしよう。うん、何も聞こえない


「林檎飴そこにあるよ」
「買いに行ってくる」
「うん。待ってるから」



嬉しそうに早歩きして僕の元に戻ってくる春稀。やっぱり愛しい、そう思っている僕はおかしいのだろうか?



「買ってきたよ。恭弥もいると思って苺飴買ってきた」
あまりにも嬉しそうな顔をする春稀に僕も顔が緩むのがわかった


「それ自分が食べたかっただけでしょ」
「ち、違うよ。恭弥に食べてもらおうとしただけだもん」
「ふーん。でも君、本当に甘いもの好きだね」


「だから、俺のじゃないって」
って渡される苺飴。
「僕はいらないから君食べなよ」
「えっいいの…?」
「いいよ食べなよ」
「あ‥ありがとう」
パクリと食べた苺飴




「おいしい、」
顔を緩める春稀に僕はまた口端を上げた

「そんなにおいしいんなら僕にもちょうだいよ」
んぅ…?と曖昧な返事をした瞬間口に感じる違和感。


くちゅりッチュといやらしい音を鳴らして口に広がる甘い甘い飴を舌で押し潰した




ふと目を開けるとここは道路だいや通学路
いくら今人通りが少ないと言えどもいつ見つかるかわからない
俺は途切れそうになる理性で必死に考えていた。そして考えたすえ恭弥の胸を少し強めに叩いて離してもらった



離れる唇に多少の切なさを感じたが今はそれは置いておこう




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