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私の愛にこたえて…
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あの男は、彼よりも格好良くて男らしくて、たくさんの女性からモテていた。
 
女に困る事はなかったはず。
 
それなのに、幼くて男でしかも愛想もない生意気な私を選んだ。
 
 
 
初めは断った。
 
次は避けた。
 
はぐらかして、罵倒した。
 
 
 
それなのに、諦めてくれなくて、
 
 
結局、私が諦める羽目になった。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
左手の薬指を見た。
 
こんなロマンチックな物は、私には似合わないと思う。
 
 
夕日に照らされて、
とても美しく綺麗に輝く石に魅入った。
 
 
 
『永遠の愛』
 
 
正直、クサ過ぎて笑ってしまう。
 
 
 
「好きですよ、入宮さん」
 
 
あの指輪を受け取った私に、彼は幸せそうに微笑んだ。
 
それに微笑み返すと、彼は軽いキスをくれた。昨日の事を反省しているから、今日はそれに止まったのだそうだ。
 
 
端から見れば、幸せそうなカップルかもしれない。
 
 
けれど、
 
私から愛を語る事は出来なかった。
 
 
 
口に出したら最後。
 
本気になってしまうから。
 
 
 
 
 
純粋で無垢な彼の恋を、
 
私の愛で汚してしまう事が恐かった。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

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あきゅろす。
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