私の愛にこたえて… ,5 「ほんと盛んな奴だな、お前は」 顔を上げた成雲は、くくっ…と小馬鹿にして笑う。体も浮かせると、そのままゴロンと横に転がる。 「俺はシてやらんぞ?」 「別に望んでませんっ」 否定してみても物理的にそれは無意味で、さらに笑われてしまう。 「悪いな、起きたら抜いてやるから」 「…は??」 クスクスと笑い続ける成雲は、そのまままた私を抱きしめる。 何気にされた大胆発言を聞き逃さなかった私は、慌てて聞き返そうと成雲の顔を見上げたけれど、 「おやすみ」 チュッ…って。 私の額にキスを落とすと、瞼を閉じた黒い瞳はもう姿を現すことはなく、早々と規則正しい呼吸音が流れだす。 「……………」 「すー…すー…」 つまり、 “私を抱き枕にして寝に来た” そういう事……らしい。 [*前へ][次へ#] [戻る] |