私の愛にこたえて… ,4 怖くて…、体が動かなかった。 何をされるか分かっていたから。 母は、何も答えず部屋の隅で震える私の前に立ち、思いきり手を振り上げた。 「ぅぐっ!!」 皮膚を打つ渇いた音が響き、頬に張り裂けそうな痛みが走った。 「何でっ……あんたは…っ…!!」 「っあ!…いたっ……!」 それは、何度も何度も… 「いつも……いつもぉーっ!!」 「…うぅっ!…っ…ぁぐっ…」 何度も何度も。 昨日の折檻でまだ腫れている私の頬に、何度も何度も、母は言葉にならない怒りを手に込め打ち付けた。 「ごめ…っ…な………さっ…!」 「煩いっ!」 やっと謝罪の言葉を思い出しても、もう遅くて… 「ママっ…あっ!…く……ママぁっ!」 「煩い!!煩いっ!煩いっっ!!!」 何度も何度も… 意識を失いそうになっても… 「あんたなんか…!あんたなんかぁっ!!」 夢中で手を振り涙を流す母の瞳は、もう私を映してはいなかった。 [*前へ][次へ#] [戻る] |