君と一緒だから。 ,13 夕食にお風呂…と済ませる間、瀬田は終始無言で不機嫌オーラを撒き散らしてた。 大地先輩にキスされちゃった事よりも、皆にからかわれた事にふて腐れてるらしい。 「まだ怒ってるのー?」 「怒ってない。欝陶しいから先にベッドに入ってろ」 ―――酷い。 瀬田の目の前にはパソコン。 寝室の机について、毎晩寝る前の作業をする瀬田はまだまだご機嫌斜めだ。 数字の並んだ表が表示されていて、パチパチと軽快にキーボードを叩いてそこへ更に数字を打ち込む。 何の表かは知らないけど、慣れた素早い手つきで入力する瀬田の大きな手を眺めながら、後ろから首に抱き着いてダメ出しのように尋ねてみたら、思いきり冷たくあしらわれて若干傷ついた。 これ以上機嫌を損ねさせてもしょうがないから、言われた通りに瀬田から離れてベッドへ上がる。 でも、やっぱり抱き着いて寝るなら機嫌を良くしておきたい。 瀬田の機嫌をとるなら、やっぱりアレだよね! 「ななななななにやってるんだお前ぇえっ!!!??」 パソコンの作業を終えた瀬田が俺のいるベッドの方へ振り向くと、吃りに吃りまくって、顔を真っ赤にして驚愕する。 「えっちのお誘い」 机から一歩も近付けずにいる瀬田に「うふん」とウインクをして、手の平を上にして差し出した手の指を順番に折る。 色っぽいお姉さんがカモ〜ンって誘惑してる感じ。 そんな俺は、以前氷堂くんにもらった桃色のスケスケ下着を着用で、大胆にもM字開脚。 全部、入宮さんから教わった誘い方だ。 「いきなり意味分からんわっ!!!」 「えぇー、瀬田の気分を良くしてあげようって俺の気遣いだよ。…嬉しい?」 「阿呆かッ!!」 [*前へ][次へ#] [戻る] |