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君と一緒だから。
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1週間が経ち、朝の父達の出勤に合わせて俺も東京の家を後にした。
 
 
 
「お帰りなさぁーいっ!」
 
 
お互い無事に1週間を乗り切った俺と空は、帰宅してすぐ感動の再会。
 
 
東京から車で空ん家の玄関先まで直行し、昼前には到着。インターホンを鳴らすと空が飛び出してきた。
 
満面の笑みでタックルをかます空を受け止め、思いきり抱きしめる。
 
 
 
「ただいま、空」
 
「お帰りぃー!はぅーん、瀬田だよぉーっ」
 
 
空も俺の胸に顔を埋め、甘えるように額を俺の胸にぐりぐりと押し付ける。
 
 
小さくて柔らかな体は抱き心地が抜群で、やっぱり空は可愛いなぁ…とその感触に浸る。
 
空の頭が揺れるたび、漂う香りに思わずウットリ。きっと鼻の下を伸ばしてスケベな顔をしているんだろう。
 
 
 
「ただいまのチュゥー」
 
「外で出来るか阿呆、中に入れろ」
 
 
デレデレする俺に気付いて唇を尖らせる空を引きはがし、家の中に招待させた。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
昼食は俺が土産に買ってきた、ちょっと贅沢な寿司。
 
高井家ダイニングにて、おじさんの隣におばさん、おじさんの向かいが俺で、俺の隣に空が席についている。
 
ちなみに入宮は鳳生と待ち合わせていたから、ここには来ていない。
 
 
 
「はい、あーん」
 
 
一貫を箸にとり差し出す空。恥ずかしいからやめろと言いたいところだが、
 
 
『あと3日、弱音を吐かずにいられたら、なんでもお前の言うことを聞いてやる』
 
 
と、電話越しに泣いている空に、そう約束していた事を思い出す。
 
もちろん空は、その俺の言葉を励みに頑張ったわけで、
 
 
 
「……………、あーん」
 
 
目の前の両親をちらりと窺うと、いかにもワザとらしく顔を背けてくれる。
 
だからお言葉に甘えて空の箸に食いついた。
 
 
 
「俺もあーんっ」
 
「はいはい、あーん」
 
 
まだ顔を他所に向けてくれている両親に感謝しつつ、俺からも空に食べさせてイチャイチャ。
 
 
――最近の俺、特に甘くなってないか?
 
 
と、ふと疑問に思うが、
 
 
 
「瀬田、大好きー」
 
 
何を思ったのか食事中に抱き着いてきた空に、もう何でもいいか…と投げやりになる。
 
 
抱きしめ返して頭を撫でて、ついでに空のつむじにキスをして。
 
ふと視線を感じて顔を上げたら、
 
 
 
「……………」
 
「……そ…っ……空?…し、食事中に抱き着くな。行儀悪いだろっ」
 
 
おじさんの呪い殺されそうな険しい瞳と目が合って、慌てて空から離れた。
 
 
せっかく1週間ぶりに会えたのに、ここじゃあラブラブ(←キモい)出来ないな…と若干肩身の狭さを感じた俺は、
 
 
 
「今晩はどっちで寝る?」
 
 
空がもちろん両親のいない屋敷を選ぶことを見越した上で、卑怯にも空に尋ねる。
 
 
もちろん空は「瀬田ん家!」と即答。
 
お蔭さまで、夕方に屋敷に戻るまでおじさんの憎しみに満ちた視線を浴びた。
 
 
 
 
 

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