君と一緒だから。 ,4 1週間が経ち、朝の父達の出勤に合わせて俺も東京の家を後にした。 「お帰りなさぁーいっ!」 お互い無事に1週間を乗り切った俺と空は、帰宅してすぐ感動の再会。 東京から車で空ん家の玄関先まで直行し、昼前には到着。インターホンを鳴らすと空が飛び出してきた。 満面の笑みでタックルをかます空を受け止め、思いきり抱きしめる。 「ただいま、空」 「お帰りぃー!はぅーん、瀬田だよぉーっ」 空も俺の胸に顔を埋め、甘えるように額を俺の胸にぐりぐりと押し付ける。 小さくて柔らかな体は抱き心地が抜群で、やっぱり空は可愛いなぁ…とその感触に浸る。 空の頭が揺れるたび、漂う香りに思わずウットリ。きっと鼻の下を伸ばしてスケベな顔をしているんだろう。 「ただいまのチュゥー」 「外で出来るか阿呆、中に入れろ」 デレデレする俺に気付いて唇を尖らせる空を引きはがし、家の中に招待させた。 昼食は俺が土産に買ってきた、ちょっと贅沢な寿司。 高井家ダイニングにて、おじさんの隣におばさん、おじさんの向かいが俺で、俺の隣に空が席についている。 ちなみに入宮は鳳生と待ち合わせていたから、ここには来ていない。 「はい、あーん」 一貫を箸にとり差し出す空。恥ずかしいからやめろと言いたいところだが、 『あと3日、弱音を吐かずにいられたら、なんでもお前の言うことを聞いてやる』 と、電話越しに泣いている空に、そう約束していた事を思い出す。 もちろん空は、その俺の言葉を励みに頑張ったわけで、 「……………、あーん」 目の前の両親をちらりと窺うと、いかにもワザとらしく顔を背けてくれる。 だからお言葉に甘えて空の箸に食いついた。 「俺もあーんっ」 「はいはい、あーん」 まだ顔を他所に向けてくれている両親に感謝しつつ、俺からも空に食べさせてイチャイチャ。 ――最近の俺、特に甘くなってないか? と、ふと疑問に思うが、 「瀬田、大好きー」 何を思ったのか食事中に抱き着いてきた空に、もう何でもいいか…と投げやりになる。 抱きしめ返して頭を撫でて、ついでに空のつむじにキスをして。 ふと視線を感じて顔を上げたら、 「……………」 「……そ…っ……空?…し、食事中に抱き着くな。行儀悪いだろっ」 おじさんの呪い殺されそうな険しい瞳と目が合って、慌てて空から離れた。 せっかく1週間ぶりに会えたのに、ここじゃあラブラブ(←キモい)出来ないな…と若干肩身の狭さを感じた俺は、 「今晩はどっちで寝る?」 空がもちろん両親のいない屋敷を選ぶことを見越した上で、卑怯にも空に尋ねる。 もちろん空は「瀬田ん家!」と即答。 お蔭さまで、夕方に屋敷に戻るまでおじさんの憎しみに満ちた視線を浴びた。 [*前へ][次へ#] [戻る] |