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君と一緒だから。
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今朝の出来事からずっと、俺の頭からは『イカ焼き』が離れてくれず、延々自分の精液の臭いについて考え込んでいる。
 
これを相談できる相手なんて、ちょっと関係のあった入宮しか有り得なくて。
 
 
 
「俺のアレって何の臭いだと思う?」
 
「アレ……とは?」
 
「……………せ………………精液、…だ」
 
「…………………………」
 
 
俺のその答えを聞いた入宮が、無言でテーブルにコップを置く。
 
 
そのコップの中には、カルピス。
 
どうして今日に限って朝からそんな物を飲んでいるのかと、たまたまとは言えタイミングを間違えたな…ともう飲まれる事はないだろうその白濁した飲み物を見つめる。
 
 
 
「さぁ、誰であっても特有の臭いだとは思いますが…。成雲のが何の臭いかと考えたことはないので分かりません」
 
「イカ焼きは、どうだ?…似てるか?」
 
「…………………………」
 
 
気を取り直してフォークを手にした入宮がプレートから取ったのは、シーフードサラダ。
 
フォークに刺さった輪切りの茹でたイカが、さりげなくプレートへ戻される。
 
 
 
「何か恨みでも?」
 
「わざとじゃない」
 
 
故意ではないとは言え、やはり食事時にする話じゃなかった…と、また食べられる事がなくなったイカを眺めて頭を下げた。
 
 
 
「そうそう、そう言えば今朝、瀬田と連れションする夢見ちゃった。なんか恥ずかしいねー」
 
 
胡桃パンとガーリックトーストのどっちにしようか悩み睨めっこしていた空が、やっと決まったらしくプレートを持ってくると、うふふ…と照れ臭そうに笑う。
 
そんな空の言葉に、俺達の間で今朝なにかがあったのだと察知した入宮が、ニヤリと嫌な笑みを浮かべた。
 
 
 
「詳しく聞きたいですね」
 
「誰が言うか、阿呆っ」
 
 
こうして俺のアレの臭いは何なんだ?と言う疑問は馬鹿馬鹿しくなり、俺は考えるのをやめた。
 
 
 
 
 

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あきゅろす。
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